西南地域(四川省、重慶市、雲南省、貴州省)の上半期GRPがプラス成長に

(中国)

成都発

2020年07月31日

中国西南地域における四川省、重慶市、雲南省、貴州省の2020年上半期の域内総生産(GRP)は、四川省が前年同期比0.6%増の2兆2,130億元(約33兆1,950億円、1元=約15円)、重慶市が0.8%増の1兆1,210億元、雲南省が0.5%増の1兆1,130億元、貴州省が1.5%増の7,986億元となった(添付資料表参照)。

西南地域の4省・市では、年初の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止などから影響を受け、第1四半期の経済成長率がマイナスになったが、総じて操業再開が早期に実現したことにより、いずれも経済が急速に回復し、上半期の成長率はプラスに転じて中国全体の成長率(マイナス1.6%)を上回った。

産業別にみると、第二次産業については、四川省、重慶市と雲南省では、それぞれ第1四半期の前年同期比の3.4%減、11.0%減、6.0%減から、上半期は1.5%増、0.9%増、0.2%増となり、プラス成長に転じた。また、貴州省では、第1四半期は4.9%減だったが、上半期には前年並みに回復した。うち、四川省と重慶市は、ハイテク産業の成長が好調で、ウィズコロナ時期の中、在宅勤務のニーズ増加に伴う企業の電子化改革、巣ごもりへの生活スタイルの変化による通信販売に関わるパソコンやスマートフォンなどの電子設備の需要増加、また、感染防止対策による医療用品生産設備への需要などが、その成長を後押ししたとみられる。

四川省では、上半期における一定規模以上のハイテク産業付加価値は、前年同期比の9.5%増となり、一定規模以上の工業付加価値の増加率より7ポイント上回った。うち、医療機器製造業は20.2%増、パソコン・事務用設備製造業は19.7%増、電子・通信設備製造業は11.8%増となった。

重慶市では、上半期におけるハイテク技術製造業と戦略性新興製造業の付加価値はそれぞれ前年同期比8.0%増、7.7%増となり、それぞれ一定規模以上の工業付加価値の増加率を7.0ポイント、6.7ポイント上回った。うち、集積回路は34.1%増、液晶パネルは27.9%増、医療機器・設備は38.9%増、マスク生産用原材料の不織布は39.5%増となり、いずれも堅調に増加した。

一方、消費動向を示す社会消費品小売総額では、四川省は7.5%減、重慶市は7.2%減、雲南省は8.6%減、貴州省は5.5%減と、いずれも減少したが、一定規模以上の通信販売小売額については、それぞれ21.1%増、40.7%増、89.9%増、66.5%増と大幅に増加し、新経済分野の成長が目立つ。

(郭穎)

(中国)

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