連邦政府、新型コロナワクチン供給で3件を追加契約

(スイス)

ジュネーブ発

2021年02月04日

スイス連邦参事会(内閣)は2月3日、3件の新たな新型コロナウイルスワクチン調達契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ドイツのキュアバックとスウェーデン政府から500万回分の調達契約、米国ノババックスから600万回分の事前調達契約、さらに、既に調達契約を結んでいる米国モデルナとも600万回分の追加供給契約を締結した。

キュアバックのワクチンは米国ファイザーやモデルナが製造するワクチンと同じく、メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新技術を採用している。キュアバックのワクチンは臨床試験の最終段階にあり、2021年第2四半期内(4~6月)にはスイスにも供給可能となる見込みだ。英国アストラゼネカのワクチンと同様、スウェーデン政府がEUとしての調達分についてスイスへの再販売の窓口となっている(2020年10月20日記事参照)。

ノババックスとはこれから最終契約書を交わすが、同社のワクチンはスパイクタンパク質を抗原とする組み換えタンパク質を用いたもので、このタンパク質に対して免疫システムが抗体を生成することで新型コロナウイルスが体内に侵入したときにも反応できるようにする仕組みだ。キュアバックと同じく、臨床試験の最終段階にあり、第2四半期内にはスイスに供給可能となる見込み。

これにより、これまでスイスが調達を確保したワクチンは以下のとおりとなった。

  • mRNAタイプ(米国ファイザーから約300万回分、米国モデルナから合計約1,350万回分、ドイツ・キュアバックから500万回分)
  • ウイルスベクタータイプ(英国アストラゼネカから約530万回分)
  • 組み換えタンパクベース(米国ノババックスから600万回分)
  • 組み換えタンパク、ウイルスベクター、不活化ワクチンなどの組み合わせ〔国際的なワクチン開発イニシアチブ「COVAX」から人口の約20%相当回数分(最大320万回分を想定)〕

どのワクチンが最適かはまだ明確でないため、連邦政府は異なる技術によるさまざまなワクチンを確保することに留意し、他のメーカーとも協議を続けている。

(和田恭)

(スイス)

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