東北3省の1~9月GRP成長率、吉林省は全国平均を上回る

(中国)

大連発

2020年11月06日

遼寧省、吉林省、黒龍江省の2020年1~9月の域内総生産(GRP)は、遼寧省が前年同期比1.1%減の1兆7,708億元(約28兆3,328億円、1元=約16円)、吉林省が1.5%増の8,796億7,000万元、黒龍江省が1.9%減の8,619億7,000万元となった(添付資料表参照)。東北3省では、吉林省のみ中国全体(0.7%)の成長率を上回った。上半期(1~6月)のGRP(2020年8月12日記事参照)は、遼寧省3.9%減、吉林省0.4%減、黒龍江省4.9%減だったため、3省とも7~9月に域内経済が急回復した格好だ。

産業別の成長率をみると、遼寧省、黒龍江省の第一次産業と吉林省の第二次産業の伸び率が中国全体を上回り、特に吉林省の第二次産業(5.0%)が好調だった。

一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額を産業別にみると、遼寧省では、石油化学工業(4.6%増)、農産品加工業(1.5%増)、冶金(やきん)工業(0.9%増)などが前年同期比で増加し、設備製造業(1.4%減)のマイナス幅が上半期(8.5%減)から7.1ポイント縮小した。吉林省では、石油化学工業(3.5%減)、医薬品産業(2.0%減)がマイナスとなった一方で、自動車製造業(15.5%増)と設備製造業(0.5%増)などが増加した。黒龍江省は、汎用(はんよう)設備製造業(32.2%増)、自動車製造業(31.2%増)の伸びが比較的高かった。

1~9月の経済動向について、東北3省の統計局は「経済は好転しており、特に7~9月の経済回復が加速している」(遼寧省)、「経済回復が一層加速している」(吉林省)、「経済復調の傾向が続いている」(黒龍江省)と、それぞれ経済復調について言及している。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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