メトロ延長線「ルート2020」が一部で運行開始、ドバイ万博会場の整備も進展

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2021年01月12日

アラブ首長国連邦(UAE)において、2020年ドバイ国際博覧会(新会期:2021年10月1日~2022年3月31日)(以下、ドバイ万博)の会場とドバイ市内をつなぐドバイ・メトロ延長線「ルート2020」が2021年1月1日に一部の区間で運行を開始した。2020年7月にドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム首長が同線の開通を発表し、一般利用客を迎えた運行開始は2020年9月を予定していたが(2020年7月9日記事参照)、数カ月遅れての運行開始となった。

今回乗客の乗り入れが開始された駅は、レッドライン本線との接続駅となる「ジュベル・アリ駅」、延長線駅の「ガーデンズ駅」「ディスカバリー・ガーデンズ駅」「アル・ファルジャン駅」の合計4駅。新設駅では、買い物袋を持つ人や制服姿の乗客など、近隣住民の新たな交通手段として利用される様子がみられた。ドバイ万博会場までの残りの3駅は、会期までに運行が開始される予定だ。運行開始に合わせて行われたメディアツアーにおいてドバイ道路交通局(RTA)高官は、万博会場より先となるアル・マクトゥーム国際空港までの「ルート2020」の延長構想(注)にあらためて言及した。

写真 ジュベル・アリ駅から万博会場方面へ進行する車両(ジェトロ撮影)

ジュベル・アリ駅から万博会場方面へ進行する車両(ジェトロ撮影)

写真 アル・ファルジャン駅舎(ジェトロ撮影)

アル・ファルジャン駅舎(ジェトロ撮影)

写真 アル・ファルジャン駅構内に設置の路線図(左)とプラットフォームの様子(右)(ジェトロ撮影)

アル・ファルジャン駅構内に設置の路線図(左)とプラットフォームの様子(右)(ジェトロ撮影)

ドバイ万博会場の整備も大きく進展、パビリオン建設は大詰めに

会場予定地の状況としては、ドバイ万博公社が公式YouTubeアカウントで公開した映像などで、会場入り口、中心の広場や通路、旗艦建築などがおおむね整備された様子が伝えられている。

参加各国パビリオンでは、2020年12月28日、地元紙「カリージ・タイムズ」が、フィリピン館の87%が完成したと報道した。ラモン・ロペス政府代表は、フィリピン政府への引き渡しは2021年3月の予定とした。また、在UAE米国大使館は、米国館の建設工事がおおむね完了と発表済みで、同館敷地内には参加国館の中で最も高い展示物となる予定の「スペースXファルコン9ロケット」の実物大レプリカも設置されている(国営エミレーツ通信社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます11月18日)。

日本館も、2021年10月の開催へ向け、建築工事を継続しており、外観の正面部分であるファサードや内装仕上げが完成している(2020年12月11日プレスリリース参照)。

(注)当初は、アル・マクトゥーム空港までの開通が計画されていた(2019年5月14日記事参照)。

(安井梓、田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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