バケーション特別許可は感染拡大の温床か、チリで批判の声

(チリ)

サンティアゴ発

2021年01月28日

チリ警察が所管する「バケーション取得のための特別移動許可(permiso de vacaciones)」の申請件数が1月24日時点で100万件を超え、計113万450件に達したと報じられた(「エル・メルクリオ」紙1月26日)。この移動許可は、一種の「ガス抜き」措置として、バケーションシーズン目前の2020年末にチリ政府が導入を発表したもの。これにより、「地域ごとの段階的な規制緩和計画(2020年7月27日記事参照2021年1月15日記事参照)」に基づく生活の規制が厳格な一部コムーナ(注)の住民は、バケーション取得を目的とする州をまたぐ移動が可能となった(添付資料表1参照)。

チリ保健省より発表されている最新の各種措置の変更(1月28日午前5時から適用開始)を加味すると、最も規制が厳しい「第1段階:外出禁止措置(Cuarentena)」が適用されるコムーナ数は74(全体の約21%)で、「バケーション取得のための特別移動許可」が取得できる「第2段階:移行期(Transición)」のコムーナは116(34%)存在する。ただし、相対的に人口が多い首都圏州のプエンテ・アルト(64万5,909人)、マイプ(57万8,605人)、サンティアゴ(50万3,147人)、バルパライソ州のビニャ・デル・マル(36万1,371人)、バルパライソ(31万5,732人)などのコムーナが「第2段階」の対象となっていることを考慮すると、本移動許可が国全体へ与える影響は少なくないだろう。

特別移動許可の取得に伴う移動の出発地と目的地を州別にみると、出発地の約6割が首都圏州に集中しており、目的地としては、避暑地として人気が高いバルパライソ州が全体の3割弱を占め、トップになった(添付資料表2参照)。チリでは年明け以降、新型コロナウイルス感染者数の増加が著しく、州間の移動許可を与えたことが感染拡大の温床になっていると批判する声も強まっており、エンリケ・パリス保健相は、データの分析を行った上で、今後の対応について検討するとコメントしている。

(注)地方行政の基本単位。

(佐藤竣平)

(チリ)

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