ペルー議会が「日本・ペルー租税条約」を賛成多数で承認

(ペルー、日本)

リマ発

2021年01月04日

ペルー議会は、2020年12月28日の通常国会の場で、2019年11月に日本との間で署名された「所得に対する租税に関する二重課税の除去ならびに脱税および租税回避の防止のための日本国とペルー共和国との間の条約(日本・ペルー租税条約)」を賛成113票、棄権1票、反対0票の賛成多数で可決した。同条約は、2018年5月に交渉が開始され、2019年9月に両国間で実質合意に至っていた(2019年9月9日記事2019年11月22日記事参照)。その後、日本側では2020年5月27日に参議院の承認を済ませており、ペルー議会の承認が待たれていた。

同条約案は、2020年9月30日からペルー議会の外務委員会の第19回通常審議に諮られ、同年11月30日に同委員会の賛成9票、棄権2票、反対0票の賛成多数で承認された後、12月17日に議会に提出された。同委員会のヒルメル・トゥルヒージョ・セガーラ委員長は「両国間における投資や貿易の促進、技術移転のための最善の環境を整えるためにも、本条約の早期発効が不可欠だ」とその意義を述べた。

なお、条約の発効日については、同条約第31条第1項によれば、国内手続きが完了したことを確認する通告を相互に行い、遅い方の通告が受領された後の30日目に効力が生じる、とされている。また、第31条第2項で、同条約の効力が生じる年の翌年の1月1日(2022年1月1日の予定)以後に取得される所得に対する租税などに対して適用される、と規定されている。

同条約についてはジェトロ調査レポート「日本・ペルー租税条約の概要」を参照。

(設楽隆裕)

(ペルー、日本)

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