2020年の労働指標が悪化も、下半期は復調続く
(ベトナム)
ハノイ発
2021年01月14日
ベトナム統計総局は1月6日、2020年の雇用・労働状況に関する会見を開催し、同年において15歳以上の労働者で新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた者が、労働力人口約5,500万人中3,210万人だったと発表した。そのうち、69.2%は収入の減少、39.9%は労働時間の短縮、14.0%は経営・生産の停止の影響を受けた。業種別では、サービス業は71.6%、鉱工業・建設業は64.7%、農林水産業は26.4%の労働者が影響を受けた。
2020年における労働力人口の失業率は2.5%(前年より0.3ポイント上昇)だった。そのうち、都市部は3.8%、農村部は1.8%。15~24歳の失業率は7.1%で、そのうち都市部は10.6%、農村部は5.5%となった。
2020年における労働者の平均月給は550万ドン(約2万4,750円、1ドン=約0.0045円)と、前年よりも2.3%減(12万8,000ドン減)になった。業種別では、サービス業は21万5,000ドン減、農林水産業は15万6,000ドン減、鉱工業・建設業は10万ドン減となった。政府は、新型コロナウイルス感染拡大が企業に与える影響を考慮し、2021年は例年1月1日に実施している最低賃金引き上げを見送っている(2021年1月12日記事参照)。
新型コロナの影響は20年第2四半期で底打ちか
2020年第4四半期(10~12月)における労働者の平均月給は570万ドンだった。前年同期より10万8,000ドン減となったが、前期よりは21万2,000ドン増と、2期連続で増加した(添付資料図1参照)。
2020年第4四半期における労働力人口の失業率は2.4%だった。前年同期より0.2ポイント上昇したが、第2四半期をピークに2期連続で低下した(添付資料図2参照)。
これらの指標は新型コロナウイルス発生前の水準には戻っていないが、GDP成長率と同様(2021年1月8日記事参照)、第2四半期で底を打ち、第3四半期から第4四半期にかけて改善している。
(庄浩充、グエン・ラン)
(ベトナム)
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