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欧州産業界、EU・英国の協定合意に安堵するも懸念や課題を指摘

(EU、英国)

ブリュッセル発

2021年01月05日

欧州委員会は2020年12月24日、通商・協力協定について英国と合意したと発表(2020年12月25日記事、同日記事参照)、同協定は英国議会での批准手続き、EU理事会での暫定適用の承認を経て、2021年1月1日から暫定適用が開始されている(2021年1月4日記事参照)。「新型コロナ危機」が収束する兆しがみえない中、欧州経済をさらに混乱に陥れる可能性があった、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う移行期間終了後の将来関係交渉の決裂が避けられたことで、欧州産業界からは合意発表時に歓迎の声が相次いだ(注)。一方で、12月24日時点では詳細が公表されていなかったため、評価に慎重な姿勢を示したり、EUおよび加盟国、英国政府に対して、通関手続きの導入などによる物流の混乱への対応などを要望する団体もあった。

物流の混乱への対応やデータ移転に関する判断を求める

欧州産業連盟(ビジネスヨーロッパ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは合意を歓迎し、協定は「環境、デジタル化、研究開発や基準といったさまざまな分野において、EUと英国の今後の協力関係の強固な土台となるべき」とした。欧州商工会議所(ユーロチェンバース)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも「合意に大いに安堵(あんど)」し、特に中小企業を中心としたEUの企業が、EU域外国となった英国との新しい通商関係に適応するため、各国の商工会議所と協力していくとした。

欧州自動車工業会(ACEA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは合意を歓迎しつつも、詳細が公表される前に評価することに慎重な姿勢を示した。また、2021年1月1日以降、以前より手続きや規制が増え、物流に大きな影響が出ることが予想され、業界にとって「大きな課題が待ち受けている」とした。食品・飲料事業者の団体フード・ドリンク・ヨーロッパ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど欧州の農業・食品業界の3団体も共同声明において、物流が混乱する可能性に大きな懸念を示し、欧州委や各国当局に対して段階的に新たな通商ルールを実施していくこと、通関や衛生植物検疫措置(SPS)について人的、技術的、財政的な支援を行うこと、事業者との対話の継続などを求めた。欧州製薬団体連合会(EFPIA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、英国製薬業協会(ABPI)とともに声明を発表。EUおよび英国における円滑な医薬品供給のため、企業は引き続き努力していくとした。

また、情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、会員である英国の業界団体テックUKとともに発表した声明において、EUから英国へのデータ移転について、EUが速やかに英国に対する十分性認定を行うよう要望した。また、デジタル化の推進や環境問題について、EUと英国が協力していくことも求めた。

(注)各団体の声明は、2020年12月25日に発表したEFPIAを除き、全て12月24日に発表された。

(滝澤祥子)

(EU、英国)

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