第5次再生可能エネルギー基本計画を策定し、2034年に82.2GWを導入

(韓国)

ソウル発

2021年01月19日

韓国の産業通商資源部は12月29日、新エネルギーおよび再生可能エネルギーの開発・利用・普及促進法に基づく第5次再生可能エネルギー基本計画を策定した。同計画は、2034年までの再生可能エネルギーの発電目標を設定するとともに、電力系統の整備、再生可能エネルギーの需要創出、再生可能エネルギーの普及に伴う系統運用ルールなどの整備について言及している。

2034年までの再生可能エネルギーの発電について、同部が12月28日に公表した第9次電力需給基本計画(2021年1月14日記事参照)との整合性をとるため、全体の25.8%、設備容量ベースで82.2ギガワット(GW)と設定した。また、同計画では、以前の計画では検討が不十分だった電力系統、再生可能エネルギーの需要喚起、水素など新エネルギーの創出などの内容を補完した。

同計画期間内に、今後、中心的役割を担うとされる風力発電の設置に必要な許認可取得に関するワンストップサービスセンターの設置、用地賃借期間の30年への延長、設備間の距離規制の合理化などの制度整備に着手する予定だ。さらに、再生可能エネルギー事業者の収益安定化のため、現在、太陽光が優先されているRPS制度(注1)に風力などを追加し、多様化を図る。

また、電力系統利用ルールを整備する。これまでのファーム式から、混雑時の最大出力の制限や電源別の優先接続・事後制御について、柔軟な運用を可能とするノン・ファーム式に移行し、非混雑時の送電容量を再生可能エネルギーにも開放していく予定。

需要喚起策については、企業のRE100(注2)への参加に対するインセンティブを強化するとともに、電力料金へのインセンティブを通じ、一層の負荷平準化に努めることとしている。また、発電、輸送、工業などの工程を通して、グリーン水素の義務化を段階的に拡大し、水素経済への移行を加速する。

(注1)電気事業者に対し、一定割合以上の新エネルギーから発電される電気の利用を義務付けることにより、新エネルギーの普及を図る制度。

(注2)企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ。

〔当間正明、申守智(シン・スジ)〕

(韓国)

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