欧州産業連盟、2021年上半期EU議長国ポルトガルへの提言発表

(EU、ポルトガル)

ブリュッセル発

2021年01月15日

欧州産業連盟(ビジネスヨーロッパ)は1月14日、2021年上半期のEU議長国ポルトガルのアントニオ・コスタ首相宛ての書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(13日付)を公表した。欧州の「レジリエンス強化」「グリーン化」「デジタル化」「欧州型社会モデルの強化」「グローバルな欧州」というポルトガルが掲げる5つの優先課題への支援を表明した。欧州企業は、新型コロナウイルス危機という前例のない事態の中で、職場の安全の確保や、バリューチェーンと雇用の維持、デジタル化、グリーン化に努力していると指摘。欧州経済と社会を立て直すに当たり、企業が最大限にその役割を果たせるように、欧州が長期的な成長を実現し、雇用を生み出し、構造改革を推進できる枠組みの策定に、議長国として集中的に取り組むよう求めた。

貿易面では公正な競争を重視する姿勢強調

5つの優先課題の中でも、ポルトガルは社会政策分野への取り組み(「欧州型社会モデルの強化」)を強調している(2021年1月8日記事参照)。これに関連して同連盟は、2021年に失業率の悪化が予想される中、既存の対策に加え、異業種間での人材の一時的な移動といった思い切った雇用対策も推奨することや、長期的な視点からEU加盟国による労働市場や社会保障制度の構造改革、就業率の向上といった取り組みを支援するよう、欧州委員会に促すことを提言。また、労働者の技能研修に対する公的投資の拡充を加盟国に促すことや、経済復興を優先し、企業の負担増につながる新たなEUレベルでの政策を控えるよう求めた。欧州委の最低賃金指令案(2020年11月2日記事参照)については、加盟国の権限や労働協約の尊重をあらためて訴えた。

対外関係では、EU域外市場へのアクセス拡大につながる野心的な通商政策を追求しつつ、EU市場における輸入製品・サービスについては、EU基準の順守など、公正な競争を確保するよう求めた。その上で、米国、中国など主要貿易相手国との関係の再評価・再構築や、アフリカ諸国との関係強化を目指すことを求めている。英国に関しては、現在暫定適用されている通商・協力協定(2020年12月25日記事参照)の正式発効に加え、これまで両者が合意した内容の適切な実施や公正な競争条件の確保を求めた。さらに、締結済みの貿易協定の効果的な実施や、メルコスールとの自由貿易協定(FTA)の早期採択も要望している。

(滝澤祥子)

(EU、ポルトガル)

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