南部国境チェトゥマルにフリーゾーン設置、関税と税関手数料を免除
(メキシコ)
メキシコ発
2021年01月12日
メキシコ政府は12月31日、連邦官報で政令を公布し、ベリーズとの南部国境に位置するキンタナロー州チェトゥマル市にフリーゾーン(「チェトゥマル国境地域」)を設置し、同地域内に輸入する商品の輸入関税(IGI)と税関手数料(DTA)を免除するインセンティブを導入した。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権の南部開発計画の一環で、適用期間は1月1日~2024年12月31日まで。IGIとDTAのインセンティブを享受するには、経済省に書面で申請し、経済省が申請受理から5営業日内に承認を行う。享受できるのは商業やサービス業に従事する企業で、製造業や建設業などは対象外。具体的には以下の業種が対象となる。
食品・雑貨の販売、スーパーマーケット、衣類・装身具・アクセサリー販売、医薬品・眼鏡・整形外科器具販売、機械器具販売、建設資材販売、レストラン・食堂・カフェテリア、ホテル・モーテルなどの宿泊業、教育サービス、医療サービス・病院、文化・スポーツ・娯楽サービス、自動車の修理・メンテナンス、不動産・機械器具の賃貸・リース。
IGIの免除は、政令の第5条にHSコードが記載された品目を確定輸入する場合に受けられる。基本的に上記対象業種が操業するのに必要となる商材や資材が対象となっている。DTAも、商品や資材を確定輸入する場合にのみ適用される。通常は輸入申告額の0.8%を支払う必要があるが、これが免除される。フリーゾーンからメキシコ国内の他の地域に持ち出す申告の際に支払うDTAについても免除される。
南部国境地帯の法人所得税や付加価値税のインセンティブも
チェトゥマルは前日の12月30日付官報で公布した政令に基づく南部国境地帯の税制インセンティブ(2021年1月8日記事参照)の対象地域にも含まれるため、国税庁(SAT)に別途届け出を行った企業については、法人所得税(ISR)の30%から20%への減額や、付加価値税(IVA)半減のインセンティブも享受できる。
(中畑貴雄)
(メキシコ)
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