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欧州委、官民のデータ共有促進を目指すデータガバナンス法案発表

(EU、日本)

ブリュッセル発

2020年12月01日

欧州委員会は11月25日、「欧州データ戦略」(2020年2月25日記事参照)の一環として、データガバナンス規則案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。この法案は、個人や産業が生み出す膨大なデータを技術革新や経済成長につなげるために、データの取り扱いの安全性を確保するなど、データ共有への信頼性を高めながら、EU域内で官民を超えたデータ共有の促進を目指すものだ。さらに、EU型のデータ分野の「主権ある」単一市場を確立する狙いもある。

第三国企業への規制も焦点の一つに

法案はまず、公的機関が有するデータの民間活用のためのメカニズムを規定する。公的データに含まれる個人情報の匿名化や企業秘密の削除などの保護措置を取った上で、各加盟国が設置する単一窓口で提供する。注目を集めていた日本を含むEU加盟国以外の第三国への公的データの移転に関しては、機密情報などを含む場合は、移転先となる第三国のデータ保護の法的枠組みがEU規制と同等であるとする欧州委の「十分性」認定がある場合などに限り認められる。

データ共有サービスに関しては、IT大手を念頭にサービス提供事業者に対して、高い中立性と透明性を求めることになる。データ共有サービスは、他の事業とは切り離された別の法人が提供しなければならないとし、データの用途も自由な利用を前提としたサービス利用者への提供や自身のサービス向上などに限定し、データの販売や自社製品への活用は禁止する。ただし、第三国に拠点を置くデータ共有サービスの提供事業者の取り扱いに関しては、データローカライゼーション(域内でのデータ保存・処理を義務付ける措置)が懸念されていたが、EU域内での法定代理人の設置義務にとどまる。

さらに、個人や企業が自発的にデータを提供しやすい環境を整えることで、医療や交通の改善など公益目的でのデータ共有を促進する。法案はそうしたデータを取り扱う非営利団体の要件を規定するとともに、団体の登録制度を導入する。また、データ提供のための「欧州共通同意書」も策定する予定だ。

法案はEU理事会(閣僚理事会)と欧州議会で今後審議されることになる。法案は当初の予定より発表が遅れるなど、規制のあり方をめぐり欧州委内でも意見が一致していないとされているほか、EU域内外でのデータの自由な移転を求める声が日米欧の産業界外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからも上がっていることから、同法案は今後も議論を呼びそうだ。

(吉沼啓介)

(EU、日本)

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