欧州委、「データの単一市場」を提唱

(EU)

ブリュッセル発

2020年02月25日

欧州委員会は2月19日、データ分野における政策文書「欧州データ戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を、「欧州のデジタルの未来を形成するPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」と「人工知能(AI)白書―卓越性と信頼に向けた欧州アプローチPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2020年2月21日記事参照)とともに、同時に発表した。

「欧州データ戦略」の中で欧州委は、EUでは域内の企業や公共機関が生成するデータが秘める可能性を生かしきれていないと指摘。データによる変革を促進し、企業や市民にもたらす恩恵を拡大するために「データの単一市場」である「欧州データ空間」を構築することを目標に据えた。

今後、データ共有に向けたインセンティブやデータへのアクセス・利用ルールを提案

欧州委はこの目標達成に向けて、データ共有に向けたインセンティブや実践的かつ公平・明確なデータへのアクセス・利用ルールを含む、企業間、行政機関間および官民間でのデータのガバナンス・アクセス・再利用に関する規制枠組みを提案する方針だ。さらに、信頼性の高い省エネ型のクラウド・インフラへの投資など、データの活用を可能とするシステムと次世代インフラの開発を支援するとともに、製造業や欧州グリーンディール(2019年12月12日記事参照)、モビリティー、医療分野などのデータについては分野別に特定の取り組みも行う意向だ。

欧州委は現在、「欧州データ戦略」に関する意見募集を行っており、得られた意見を基に、データを活用した経済発展の支援に向けてさらなる取り組みを行う方針だ。

(村岡有)

(EU)

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