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欧州委、エネルギーインフラ整備の関連規則を見直し

(EU)

ブリュッセル発

2020年12月17日

欧州委員会は12月15日、「環欧州エネルギー・ネットワーク(通称:TEN-E)規則」の改正案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。TEN-E規則は、国境を越えるエネルギー関連インフラプロジェクトを支援し、域内のエネルギー供給の安定化を図るための枠組みで、2013年に採択されている。今回の改正案は、「水素戦略」(2020年7月10日記事参照)や「洋上再生可能エネルギー戦略」(2020年11月24日記事参照)など、「欧州グリーン・ディール」の各種政策に合致したインフラ計画を重点的に支援できるよう軌道修正することが目的だ。

天然ガス輸送インフラを水素輸送網へと転換

TEN-E規則の下、EUでは複数のEU加盟国にまたがるインフラプロジェクトの中から、支援対象とする「共通利益プロジェクト(PCI)」を指定し、資金援助を行ってきた。規則の採択以降、これまで95のプロジェクトに計47億ユーロのEU予算が投入されている。

新規則案では、「エネルギーシステム統合戦略」(2020年7月10日記事参照)に示された基本方針に従い、再生可能エネルギーの利用拡大やクリーン燃料への移行が重視される。例えば、従来のPCIでは天然ガスの輸送インフラも対象となったが、新しい基準では対象外となる。これまで整備されてきた天然ガス輸送インフラは、EUが推進する水素エネルギーの輸送目的へと転換していくことを想定する。欧州委はこの転換によって、新たに水素パイプライン網を構築する場合に比べ、最大90%のコスト削減が可能と試算する。水素インフラへの支援は、水素戦略に従い、再生可能エネルギーにより生産される水素だけでなく、化石燃料に由来する低炭素水素も対象となる。規則案では、再生可能エネルギーにより生産される水素に関連するプロジェクトを優先的にPCI指定し、その普及を目指すとしている。

洋上再生可能エネルギープラントについては、発電能力の拡大を図るとともに、加盟国間の協調を促すべく、規則案付属書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において北海および周辺、バルト海、地中海・黒海、北大西洋の4つの地域区分を指定し、それぞれ関係各国が、欧州委および送電会社の団体である「欧州送電事業者ネットワーク」など関係機関と調整を行うメカニズムを規定している。

さらに規則案では、EU域内のプロジェクトだけでなく、EUと周辺の第三国にまたがるインフラ計画で、脱炭素化において相互利益をもたらすプロジェクトも新たに支援対象としている。

(安田啓)

(EU)

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