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欧州製薬業界、EUの製薬戦略と知財行動計画に対する見解表明

(EU)

ブリュッセル発

2020年12月01日

欧州製薬団体連合会(EFPIA)は11月25日、欧州委員会が同日発表した「製薬戦略」(2020年11月27日記事参照)について声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。薬剤耐性〔Antimicrobial Resistance(AMR)〕(注1)対策や新たな抗菌薬の開発など、対応が遅れている医薬品関連研究への支援や、「欧州保健データ・スペース」の構築などを通じて、欧州レベルでの研究や医療現場におけるデータ活用へ向けた新たな支援が盛り込まれたことを評価した。

しかし、医薬品へのアクセスや供給に関する対策については「誤ったものだ」とし、AMR対策には研究開発でのインセンティブの重要性を認めながらも、難病治療や小児医療など複数の分野については、インセンティブが十分ではないと批判した。また、欧州の製薬業界が再び米国や中国に対抗しうる競争力を持つためには、研究開発への支援を行うことと、医薬品をより早く公正、持続的に欧州全域に供給するには、多様な関係者間の協力や、一つ一つの課題に対して適切な政策を取ることが重要だと訴えた。

特許の保護に関連し、賛意と懸念する点を示す

また、EFPIAは、同じく25日に欧州委が発表した「知的財産行動計画」(2020年11月26日記事参照)についても声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、補充的保護証明書〔Supplementary Protection Certificate(SPC)〕の付与(特許の存続期間の延長)の仕組みを統一することが盛り込まれたことを歓迎した。しかし、「新型コロナウイルス危機」のような緊急事態下で、特許の強制実施権(compulsory licensing、注2)を発動する際、EU加盟国間での初期段階の調整や、情報共有のための仕組みを検討するとしたことに懸念を示した。「新型コロナ危機」下の前例のない関係者の協力がワクチンの早期開発などにつながったことは認めながらも、将来の危機対応のため製薬業界の強靭(きょうじん)化が期待されている中、強制実施権の積極的な活用の模索は研究開発への投資意欲を失わせ、有効な政策手段ではないとした。

(注1)従来の抗菌薬(抗生物質とも呼ばれる)が効かなくなる、効きにくくなること。

(注2)特許権者の事前の承諾を得ることなく、政府機関が当該特許技術などの使用を申請者に認めること。WTOの知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)で認められており、欧州では主に各国の国内法によって発動される。

(滝澤祥子)

(EU)

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