イラン・リアル相場、10月半ばの記録的な安値からやや上昇

(イラン)

テヘラン発

2020年12月15日

12月13日のイラン通貨リアルの対米ドル為替相場(市場レート)は26万リアルだった。ただし、公定レートは1ドル=4万2,000リアルのままなことから、公定レートと市場レートの乖離は6倍以上となっている。

イラン・リアルの為替相場の動向を振り返ってみると、7月に下げ止まったように見えたが(2020年9月14日記事参照)、その後、9月後半からさらに下落傾向となり、10月18、19日には1ドル=31万9,000リアルまで下落した。しかし、同日の最安値を境に相場は上昇に転じ、11月半ば以降は1ドル=24万リアルから26万リアル台前半で取引が続いている(添付資料図1、2参照)。

為替相場が10月半ばの記録的なリアル安状態から、同月後半に持ち直したことについて、イラン中央銀行のヘンマティ総裁は「米国の選挙結果による影響ではない」とコメントしているが、現地進出日系企業などからは「米国の大統領選挙でジョー・バイデン氏の優勢が伝えられたこと、その後、同氏の勝利が確実と報じられたことで、米国の対イラン制裁の緩和などへの期待が表れた結果ではないか」との声も聞かれた。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン)

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