米カリフォルニア州でも新型コロナワクチン接種が開始
(米国)
サンフランシスコ発
2020年12月18日
米国カリフォルニア州では12月14日、米国製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬ベンチャーのビオンテックが共同開発した、新型コロナウイルスのワクチンの接種が開始された。同州のワクチン配布ガイドラインに基づき、ワクチンはまず、医療従事者や長期療養施設の利用者など向けに供給される予定。ギャビン・ニューサム知事は同日のプレスリリースで、「ワクチン第1弾が到着して、パンデミックの終息が近づいてきた」と述べた。
同ワクチンは12月11日、米国食品医薬品局(FDA)により、緊急使用が許可された。カリフォルニア州内でのワクチン配布に先立ち、同州を含む西海岸4州によるワクチンの安全性を検証するワーキンググループ(2020年10月30日記事参照)は12月13日、同ワクチンが安全かつ効果があると結論付け、各州での使用を推奨した。
カリフォルニア州では12月15日時点で、サクラメント広域圏、サンホアキン・バレー、南カリフォルニアで、地域単位で適用する自宅待機令(2020年12月9日記事参照)が実施されている。また、サンフランシスコ郡やサンタクララ郡などベイエリアの多くの地域でも、自発的に自宅待機令を実施中だ。同自宅待機令適用の指標となるICU(集中治療室)の空き(州公衆衛生局12月15日発表)をみると、北カリフォルニア29.8%、サクラメント広域圏14.9%、ベイエリア15.8%に比べて、州の中部から南部にかけてのサンホアキン・バレー1.6%、南カリフォルニア1.7%で、より切迫した状況が続いている。
今後、ワクチン接種が進む中で、企業にとっては、従業員に対して接種を求めるかどうかが検討課題となる。人材関連プラットフォームを運営する米国ブラインドがテック企業の専門職人材を対象に実施したアンケート調査結果(12月9日発表)によると、約7割が「雇用主が求めれば、ワクチン接種を受ける」と回答した。一方、ジェトロが現地日系企業数社に従業員にワクチン接種を求めるか聞いたところ、「現時点で従業員に接種を求めることは考えていない」「ワクチン接種を求めるのは従業員との関係で難しいと感じている」などの意見も聞かれた。
雇用主側からみたワクチン実用化に関する情報については、ジェトロ・サンフランシスコ事務所およびロサンゼルス事務所が11月18日にカリフォルニア州の日系企業向けに実施した事業再開に向けた解説WEBウェビナーも参照(注)。
(注)ウェビナーは実施日である11月18日までの情報に基づき解説している。
(石橋裕貴)
(米国)
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