2021年1月1日から固体廃棄物の輸入を全面禁止

(中国)

北京発

2020年12月11日

中国の生態環境部、商務部、国家発展改革委員会、税関総署は11月25日、「固体廃棄物の輸入を全面的に禁止する関連事項に関する公告」(公告2020年第53号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、2021年1月1日より海外からの固体廃棄物の全ての輸入、中国内での放置、処理を禁止するとした。また、生態環境部は、同公告に基づき、原料として使用可能な輸入制限類固体廃棄物(注)の輸入許可申請の受付を停止する。今回の公告は、2020年9月1日施行の「固体廃棄物環境汚染防止法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で規定された、固体廃棄物の輸入管理を実施するものと位置付けられている。

これまで、中国政府は段階的に固体廃棄物の輸入の禁止・制限を進めてきた。2017年7月に「海外ごみの輸入禁止と廃棄物輸入管理制度改革に関する実施方案」(国弁発[2017]70号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表したほか、2018年と2019年には固体廃棄物の輸入禁止類の対象範囲がさらに拡大された(2017年9月15日記事参照)。

統計データによると、固体廃棄物の輸入量も、上記の政策の実施に伴い4年連続で減少している。輸入制度改革の実施前の2016年の輸入量は4,655万トンだったが、2017年は前年比9.2%減の4,227万トン、2018年は51.4%減の2,263万トン、2019年は71.0%減の1,348万トンとなった(「中国経済網」12月7日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。なお、2020年の輸入量は11月15日時点で前年同期比41.0%減の718万トンにとどまっている(同)。

固体廃棄物の輸入が大幅に減少していることについて、生態環境部固体廃棄物化学品司の邱启文司長は「2020年末までに固体廃棄物の輸入をゼロにするという目標の達成が目の前に近づいた」と述べ、「全面的な輸入禁止が実施された後、生態環境部は、関連部門と共同で制度の整備を行うと同時に、税関総署とともに海外からのごみ密輸の取り締まり活動に力を入れ、違法な輸入行為を厳格に処罰する」と説明した(「中新社」11月30日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注)原料として使用可能な輸入制限類固体廃棄物については、HSコードに基づく品目リストが作成されている。

(趙薇)

(中国)

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