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米連邦地裁、政府によるH-1B外国人就労ビザの発給要件厳格化に無効判決

(米国)

ニューヨーク発

2020年12月16日

米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は12月1日、国土安全保障省(DHS)と労働省(DOL)が10月にそれぞれ発表したH-1B就労ビザの発給要件厳格化と、非移民労働ビザ就労者の賃金に関する規則改正(2020年10月14日記事参照)について、無効とする判断を下した。これにより、10月8日に有効となっていた非移民ビザ就労者の賃金に関するDOLの規則は効力を失い、12月7日から有効となる予定だったH-1Bビザに関するDHSの規則は発効されないことになる。

今回の訴訟では、米国商工会議所などの業界団体や、カリフォルニア工科大学をはじめとする教育機関が原告となり、DHSとDOLが発表した最終暫定規則(Interim Final Rule)は無効と訴えていた。DOLは12月3日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、DHS傘下の米国移民局(USCIS)は12月4日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、いずれも今回の連邦地裁の判決に従うとしている。DHSの最終暫定規則は、有効となる予定だった12月7日より前に判決が下ったため、発効しないまま取り下げとなる。ただ、DHSは11月2日に別途、H-1Bビザ申請者の承認プロセスを、従来の抽選方式から賃金を基にした選定方式に変更する規則案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを官報で公表している。同規則案に対するパブリックコメントは12月2日に締め切られており、今後、それを踏まえた規則案が発表される可能性がある。

一方、DOLの最終暫定規則は10月8日から有効となっていたため、DOLは雇用主が非移民ビザで外国人を雇用する際の申請データベース(FLAG外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)内で、最終暫定規則に基づき設定していた賃金基準値などを修正するとしている。

移民政策などに詳しい米シンクタンク米国政策財団(NFAP)の分析によると、DOLが発表していた最終暫定規則に基づく賃金算出方法では、H-1Bビザ保持者に支払わなければならない賃金が、能力水準や役職にかかわらず時給100ドル(年収約21万ドル)になる場合があるなどの欠点があった。同財団は「検証の結果、この規則の目的は、雇用主がH-1Bビザ保持者へ支払う必要のある賃金を引き上げることにより、H-1Bビザ保持者や潜在的なグリーンカード受給者を米国の労働市場から追い出すことだったと結論付けることができる」と指摘していた。

(吉田奈津絵)

(米国)

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