米IT企業サービスナウ、カナダのエレメントAI買収を発表

クラウドベースのプラットフォームを提供している米IT企業のサービスナウ（ServiceNow、本社：カリフォルニア州サンタクララ）は11月30日、カナダの人工知能（AI）スタートアップのエレメントAI（Element AI、本社：ケベック州モントリオール）を買収することで合意したと発表した。2021年初頭の買収完了を見込んでいる。

エレメントAIは、起業家のジャン＝フランソワ・ガニエ氏と深層学習の第一人者であるヨシュア・ベンジオ氏によって2016年に設立されたAIスタートアップで、これまでに約2億5,000万ドル以上の資金調達を行い、AIをベースとしたサービス・ソフトウエア・ソリューションを提供している。

サービスナウは、エレメントAIの世界クラスの科学者が持つ技術を応用することにより、ナウプラットフォームのAIイノベーションを加速化するとしている。エレメントAIの買収に伴い、同社はカナダ国内にAIイノベーションハブを設立する予定で、ベンジオ氏は同社の技術アドバイザーに就任する。

サービスナウの最高AI責任者のビジェイ・ナラヤナン氏は「エレメントAIの強力な能力と世界クラスの人材が加わることにより、同社の従業員や顧客は人間が得意とする創造的思考、顧客とのやりとり、予測できない業務に集中することができる。それが業務フローのよりスマートな方法だ」と述べ、エレメントAI買収の意義を強調した。

サービスナウは2020年に入り、ルームシステムズ（Loom Systems、イスラエル）、パッセージAI（Passage AI、カリフォルニア州）、スウィグル（Sweagle、ベルギー）を相次いで買収しており、エレメントAIは2020年で4社目のAI企業買収となる。

（中溝丘）