スイス連邦政府、ワクチン供給契約をファイザーなどとも締結

(スイス)

ジュネーブ発

2020年12月08日

スイス連邦参事会(内閣)は12月7日、ドイツのビオンテックと米国製薬大手ファイザーと300万回分のワクチン調達契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。スイスは、新型コロナウイルスのワクチン調達を強化している(2020年11月13日記事参照)。

同ワクチンは、米国モデルナが製造するワクチンと同じく、メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新技術を採用している。体内に注入された「mRNA」がコロナウイルスと同じ特徴を持つタンパク質の生成に関する情報を細胞に伝達し、生成されたウイルス・タンパク質を免疫システムが抗原として認識することで新型コロナウイルスの抗体生成を促す仕組みだ。これまでスイスが調達を確保したワクチンは以下のとおり。

  • 米国のモデルナから450万回分(2020年8月13日記事参照
  • 英国のアストラゼネカから最大530万回分(スウェーデン政府からの再販売枠)(2020年10月20日記事参照
  • 米国のファイザーとドイツのビオンテックから最大300万回分(今回)
  • 国際的なワクチン開発イニシアチブCOVAXから人口の約20%相当回数分(最大320万回分を想定)

このうち、モデルナ、アストラゼネカ、ファイザーのワクチンについては既にスイスメディックに薬事承認申請が行われており、臨床実験の最終段階にある。どのワクチンが最適かはまだ明確でないため、連邦政府は異なる技術(mRNA、組み換えタンパク質、ウイルスベクター)による、さまざまなワクチンを確保することに留意し、他のメーカーとも協議を続けている。

(和田恭)

(スイス)

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