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直接投資流入の減少傾向が鮮明に

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年11月02日

エチオピア中央銀行によれば、2018/19年度の外国投資受け入れ件数(申請ベース、現地法人として進出したケースのみ、稼働状況にあるもの)は63件となり、前年度の54件から増加した。一方で、投下資本は減少に転じて11億1,530万ブル(78.5%減、約31億2,284万円、1ブル=約2.8円)となった。投資額は、国連貿易開発会議(UNCTAD)でも2019年の対内直接投資額で前年比24.0%減と報告されており、減少傾向が鮮明になっている(2020年6月19日記事参照)。

UNCTADは、工業団地開発が一服したことによる製造業や建設、不動産開発といった分野での減速を指摘しているが、既存の工業団地は、引き続き企業の集積や追加投資の核となっているとみられる。2019年には、繊維・縫製分野の拠点であるハワッサ工業団地に、世界的な認証サービス機関の1つであるSGS(スイス)が品質試験所を設けると明らかにした。東方工業団地に立地するユニリーバ(英国・オランダ)は2015年の進出以後、せっけん・洗剤、固形スープの素などを生産してきたが、2019年3月には新たに歯磨き粉の生産ラインを立ち上げた。ボレレミ工業団地では、スフレ(フランス)がモルト加工場の建設を始めており、アダマ工業団地では、香港に実質的な拠点を置くキングダム・ホールディングス(ケイマン諸島)が30万平方メートルの敷地を確保して亜麻糸生産工場を準備中で、いずれも2020年の稼働を目指している。

工業団地の外では、世界的な大手の動きが目立った。コカ・コーラ(米国)が、国内5工場体制とすべくオロミア州と南部諸民族州でボトリング工場を建設する一方、ペプシコ(米国)は、センセレット食品加工(ポテトチップス製造)に出資して子会社化した。物流大手CMA CGM(フランス)とボロレ(同)は、経済自由化の進展で物流部門に外資が出資49%まで参加できるようになったことを受けて、それぞれが旧知の代理店に出資した。物流部門では、2018年にもDHL(ドイツ)がエチオピア航空と合弁会社を設立しており、自由化が投資を引きつけている。

このほか、すぐに直接投資に結びつくものではないが、注目すべき動きとして、自動車分野で、フォルクスワーゲン(ドイツ)がエチオピア投資委員会と将来的な自動車工場建設を含む協力覚書を締結し、現代自動車(韓国)が、総代理店マラソン・モーターの組立工場の稼働に技術支援した。

現政権の改革・開放路線を好感した欧米諸国の企業がエチオピアへの関心を高めているが、2019年をみる限り、新規企業の投資はまだ少なく、既に足がかりを持つ企業が再編・拡張する事例にとどまった。新型コロナウイルスに見舞われた2020年は、一層の減速が予想される。

(関隆夫)

(エチオピア)

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