2019年のアフリカへの直接投資流入額は450億ドル、UNCTAD報告

(アフリカ、エジプト、南アフリカ共和国、コンゴ共和国、ナイジェリア、エチオピア)

アディスアベバ発

2020年06月19日

国連貿易開発会議(UNCTAD)の世界投資報告(6月16日発表)によると、2019年の世界のアフリカ向け直接投資額は450億ドル(前年比10.3%減)だった。アフリカ最大の投資受け入れ国はエジプトで90億ドル(前年比10.7%増)。次いで、南アフリカ共和国(46億ドル、15.1%減)、コンゴ共和国(34億ドル、22.0%減)、ナイジェリア(33億ドル、48.5%減)、エチオピア(25億ドル、24.0%減)の順だった。上位5カ国で域内への投資流入額全体の50%を占めた。

上位5カ国のうち、エジプトでは政府の改革によるマクロ経済の安定を好感した投資家心理に改善がみられるとする。産業ではガス開発が中心だが、非資源分野でも通信や消費財、不動産などに投資流入があり、上位国では唯一、金額が前年を上回った。南アは鉱工業(金属、自動車、消費財製造)、サービス業(金融など)への投資が中心で、既存先への追加投資など企業内の取引が多い。コンゴ共和国は石油分野でロシアのルクオイルが7億7,900万ドルを投資し、沖合油田開発に参画した事例などがあった。ナイジェリアは石油・天然ガス分野での投資減少が響いた。エチオピアはオロミア州やアムハラ州など地方の治安問題が影響した。また、工業団地開発に一服感が出ており、製造業や建設、不動産開発といった分野が減速した。

UNCTADは、中国が投資元として南アで徐々に存在感を高めていると指摘し、エチオピアでは勢いは落ち着いたとしつつも、新規承認案件の60%が中国からと報告した。

(関隆夫)

(アフリカ、エジプト、南アフリカ共和国、コンゴ共和国、ナイジェリア、エチオピア)

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