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米大統領選のバイデン氏勝利宣言を受けたブラジル産業界の反応

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2020年11月24日

ブラジルのメディアや産業界は、米国大統領選挙で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の勝利が確実と報じられると、バイデン政権が誕生した場合のブラジルへの影響について一斉に反応を見せた。主な報道要旨は以下のとおり。

全国工業連盟(CNI)のホブソン・アンドラーデ会長は11月7日、同連盟公式サイトで「10月19日に米国・ブラジルの2国間で署名した貿易・経済協力協定(2020年10月21日記事参照)の進展に注目する」と述べた。

政権交代を機に米国側の輸入制限緩和を期待する声もある。米国は8月28日、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税について、ブラジルからの鉄鋼輸入に与えていた数量割り当ての一部を削減すると発表していた(2020年9月3日記事参照)。こうした状況を踏まえ、鉄鋼やアルミニウム業界では次の様な反応が見られる。ブラジル・アルミニウム協会(Abal)の公式サイトによると、ミルトン・ヘゴ会長は「バイデン政権下ではWTOルールに基づく予測可能性の高い政策実施が期待できる」と述べ、「ブラジルのアルミニウム業界にとってポジティブだ」と評価している。ブラジル鉄鋼協会(IABr)は11月9日付の現地紙「グローボ」に「米国の新政権と当該数量の割り当てを見直すよう働きかけていく」としている。

農業団体からは否定的な反応も出ている。中国はブラジルにとって農産品の主要輸出先で、大豆などの農産品は米国産と競合するケースがある。この点を踏まえ、アグリビジネス協会(Abag)のエドワルド・ダハ・エグゼクティブディレクターは同協会のプレスリリースで、バイデン政権誕生により米中関係が改善すると見込んだ上で、「米中関係の改善はブラジル産大豆をはじめとする一次産品を中国へ輸出する余地を狭める可能性がある」と懸念を示した。

一方、トウモロコシ生産者協会(ABRAMILHO)のセザリオ・ハマーリョ会長は同協会のプレスリリースで、「バイデン政権が誕生した場合でも、ブラジルのアグリビジネスには量や価格、品質、多様性において競争力があり、WTOのルールに基づく安定的な貿易が展開されるかぎり問題はない」とコメントしている。

11月10日付の現地紙「エスタード」によると、ブラジル輸出協会(AEB)のジョゼ・アウグスト会長は、選挙の結果にかかわらず「ブラジル国内の課題解決が重要」と総括した。同会長は、米国による関税賦課が緩和された場合でも、各種ブラジル製品の競争力は総じて高くないことを指摘している。自国の煩雑な事務手続きや課税制度、脆弱(ぜいじゃく)なインフラによる高コスト体質を改善し、競争力を高め、世界貿易の一翼を担う覚悟が必要と述べている。

(古木勇生)

(ブラジル、米国)

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