第3四半期の失業率は7.3%に改善、会社設立数も新型コロナ前の水準に回復

(エジプト)

カイロ発

2020年11月24日

エジプト中央動員統計局(CAPMAS、11月15日付)によると、2020年第3四半期(7~9月)の失業率は7.3%となり、第2四半期(4~6月)の9.6%から2.3ポイント改善した(添付資料図1参照)。雇用者数は第2四半期の2,668万人から、第3四半期は2,817万人まで増加した。

エルシーシ大統領の雇用対策や経済回復にも伴い、2020年第1四半期(1~3月)まで失業率は改善傾向にあったが、3月以降、新型コロナウイルスの影響による飲食店の閉鎖や国際線の原則停止による観光客の激減などの影響で、第2四半期の失業率はそれまでとは一転して悪化した。7月以降は新型コロナウイルス対策措置が緩和されて経済活動が活発化し、GDPはプラス成長が予測されている(2020年10月16日記事参照)、また、政府は経済支援策を実施しており(2020年4月7日記事参照)、失業率改善につながったと推測される。

CAPMASによると、新たな会社設立数は、4月に246社、5月に667社と大きく落ち込んだものの、7月に2,209社、8月には2,229社と大幅に増加し、新型コロナウイルス前の水準まで回復した(添付資料図2参照)。4~5月の落ち込みは、新型コロナウイルスによる経済悪化に加えて、公的機関の一部閉鎖や在宅勤務などにより、設立の手続き自体が遅延したことも要因と考えられる。

政府は冬に新型コロナウイルスの第2波到来を懸念しており、マスク着用義務など感染防止の徹底と違反者への罰金措置について、再度周知を行っている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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