IMFが2020年の経済成長率予測を3.5%と上方修正、プラス成長を維持

(エジプト)

カイロ発

2020年10月16日

IMFは10月13日に発表した「世界経済見通し」(2020年10月14日記事参照)において、2020年のエジプトの経済成長率を3.5%と予測した。6月時点では2.0%の成長を予測していたが、今回1.5ポイント上方修正された。2021年には2.8%、2025年には5.6%と予測している。

世界全体では新型コロナウイルスの影響が大きく、2020年はマイナス4.4%とし、中東・北アフリカ諸国全体ではマイナス5.0%とするなど、マイナス成長の予測が多くなっている。

エジプトでも観光など「新型コロナ禍」による損害の大きい産業があり、エジプト中央動員統計局によると、2020年第1四半期の失業率は7.7%だったところ、第2四半期の失業率は9.6%まで上昇した。国際機関からの金融支援もあり(2020年6月10日記事参照)、政府が経済支援措置を実施するなどした(2020年4月7日記事参照)。アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領を筆頭に、アフリカ・中東主要国首脳や欧州系大手企業などとの会談を日々実行するなど、政府は積極的な外交と経済成長に向けた取り組みを展開している。

新型コロナウイルス感染拡大時の3~6月は比較的緩やかながらも移動制限が実施されたが、7月にはおおよその制限が解除された。最近の新型コロナウイルスの感染状況は、エジプト保健・人口省の公表値によると、1日当たり新規感染者数は8月以降100人台で推移して、落ち着きをみせる。同省は、冬に第2波が来ることを警戒し、マスクの着用などの感染対策を呼び掛けるが、小売店や飲食店には客が戻り、渋滞も起こるなど街はにぎわいをみせている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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