特定国で承認・登録を得た医薬品・医療機器の衛生登録を迅速化

(メキシコ)

メキシコ発

2020年11月25日

メキシコ保健省は11月18日付官報で省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出し、特定の国で承認・登録を受けた医薬品や医療機器のメキシコにおける衛生登録(薬事登録)手続きを迅速化した。以下の1~3に該当する場合は、原産国にかかわらず、申請から5営業日以内に登録認可が下りる。連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)が5営業日以内に何ら回答をしない場合、登録申請は承認されたものとみなされる。ただし、書類不備などがあって申請者に追加情報を要求している間は審査期間の日数カウントが停止する。

  1. 2020年1月28日付官報公布保健省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、審査プロセスのメキシコとの同等性が認められているスイス(スイスメディック)、EU、米国(米国食品医薬品局:FDA)、カナダ(ヘルスカナダ)、オーストラリア(オーストラリア医療製品管理局)、汎米保健機構(PAHO)による規制機関評価でレベルIV評価を得た規制当局、医薬品査察協定および医薬品査察共同スキーム(PIC/S)に加盟している規制当局により承認・登録された医薬品、世界保健機関(WHO)の医薬品事前認定プログラム(PQP)で認定された医薬品
  2. 2010年10月26日付官報公布保健省令に基づき、審査プロセスの同等性が認められている(2010年11月10日記事参照)FDAおよびヘルスカナダにより承認・登録された医療機器
  3. 2012年1月25日付官報公布保健省令に基づき、審査プロセスの同等性が認められている(2012年1月26日記事参照)日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)により承認・登録された医療機器

衛生登録までの期間が大幅短縮

今回の措置の背景には、新型コロナウイルス感染の拡大がある。治療に必要な医薬品やワクチン、医療機器を速やかに輸入できる体制を整える必要があるためだ。メキシコの衛生登録の一般的な法定審査期間は、医薬品で種類に応じて45営業日まで、もしくは240暦日まで、医療機器で衛生リスククラスに応じて30~60営業日だ。上記1.~3.の同等性認定省令に基づく専用審査レーンを活用した場合でも、従来は医薬品が60営業日、医療機器が30営業日だった。今回、これが5営業日に短縮されるため、日本で承認された医療機器をメキシコ市場に導入する場合などは大幅に期間が短縮されることとなる。

なお、日本は2014年7月にPIC/Sに加盟しているため、日本で薬事登録された医薬品も上記1.の同等性認定省令が活用でき、今回の省令で5営業日の審査期間になると考えられるが、COFEPRISのレティシア・ガルシア連邦衛生システム局長によると、PIC/Sの加盟国やPAHOのレベルIV規制当局であっても、スイス、EU、米国、カナダ、オーストラリア以外の国で登録された医薬品の場合は、メキシコの公的医療機関が当該医薬品を輸入したいと申請した場合のみ、同等性認定省令を活用した迅速化が可能になるようだ。その場合は衛生登録がなくても輸入は可能だが、輸入通関後5営業日以内にCOFEPRISに対する登録申請を行う必要がある。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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