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アーバル新中銀総裁、利上げ実施

(トルコ)

イスタンブール発

2020年11月25日

トルコ中央銀行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは11月19日に行われた金融政策評議会で、市場の期待に応え、政策金利(1週間物レポ金利)を4.75ポイント引き上げ、15.0%にすると決定した。これにより、政策金利は現行のインフレ率(10月CPI)の11.9%を上回り、実質的なマイナス圏から脱した。また、中銀は後期流動性窓口貸出金利(注)など複数の金利による複雑な政策をやめ、全てを政策金利に一本化するとした。

中銀のアーバル新総裁は、インフレ見通しに関するリスクを排除し、インフレを抑制するために明確かつ強力な金融引き締めを行うとし、透明性と予見性、説明責任の原則を順守し、価格の安定を達成し維持させると表明した。この発表の後、通貨トルコ・リラは対ドルで約2.5%上昇し、市場では一定の安心感が広がった。今回の利上げに先駆けて、アーバル氏の中銀総裁就任とアルバイラク前国庫財務相の辞任後、2020年初から3割もの下落を続けていたリラは、一気に5%以上の反発を見せており、市場ではアーバル新体制への期待が高まっていた(2020年11月13日記事参照)。

しかし、経済・金融政策が今後正常化するかどうかについては懐疑的な声も聞かれる。2018年6月には当時のチェティンカヤ中銀総裁が政策金利の一本化を行い、9月に大幅な利上げを行ったが、金融引き締めに不満を強めた大統領によって2019年に解任されるということがあった。そのため、今回も一時しのぎにすぎないとする現地報道も見られる。また、後期流動性貸出窓口金利や翌日物貸出金利など、複数の金利の加重平均金利が既に14.8%となっており、実際の引き上げ幅はポーズにすぎなかったとみる向きもある。

エルドアン大統領は18日、本質的には利上げを容認しないという意向を変えないともみられる発言をしている。中銀の独立性が尊重され、新時代に向けたトルコ経済の信認回復を見極めるには、今後の中銀の金融政策に大統領がどこまで理解を示すかによっている。

(注)本来は、金融機関が資金不足などの問題を回避するための資金調達の最終手段として用意されている例外的措置。トルコでは、この後期流動性窓口貸出金利(Late Liquidity Window)が実質的な上限金利として、金利政策の手段となっていた。

(中島敏博)

(トルコ)

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