サガスティ大統領が就任、独立200周年に向けての結束と協調を呼び掛け

(ペルー)

リマ発

2020年11月18日

11月16日にペルー議会議長に就任したフランシスコ・ラファエル・サガスティ・ホウスハウスレル氏(2020年11月17日記事参照)は、ペルー憲法第115条が規定する大統領職の継承順位にのっとり、11月17日に第50代ペルー大統領に就任した。任期は、現行(2016年~2021年)の期日である2021年7月28日まで。

大統領就任式は、抗議デモ(2020年11月17日記事参照)で亡くなった2人の学生の家族同席の下で執り行われ、進行役は第1副議長のミルタ・エステル・バスケス・チュキリン氏〔フレンテ・アンプリオ(解放戦線:FA)党〕が務めた。なお、サガスティ大統領は、2021年の大統領選挙に向けてモラード(むらさき:PM)党の副大統領候補として名を連ねていたが、議長就任とともに、これを辞退した。

就任後、サガスティ大統領は議会と国民に向けた演説の冒頭に、死亡した2人の学生に対して、国を代表して謝罪した。その上で、「政党間の争いを避け、同じ目標に向かって協調すること」「独立200周年に向けて、より結束した国づくり」を呼び掛けた。さらに、来る2021年4月11日の総選挙の期日を厳守することや、今回の抗議デモで発生した事件の徹底捜査と責任の追及を約束した。

一方で、自身の政権も議会も暫定的な存在であることに言及し、2021年に選出される、独立200周年を担う新政権に向けての地ならしをすることを目標に掲げた。具体的には、「新型コロナウイルス感染拡大対策」「安定した経済と財政収支バランスの保障」「公的予算の執行率の向上」「教育の振興」「全国大学教育監督庁(SUNEDU)下での大学改革の推進」「汚職撲滅」などに注力することを約束。最後に、国連のSDGsの目標にもなっている「ゼロ飢餓(Hambre Cero)」計画と、「若い世代との対話の場を通じて国への信頼と希望の回復」にも言及し、就任演説を締めくくった。

今後、新たな首相と内閣の任命が行われるが、一部ではサガスティ大統領が、ビスカラ政権で経済財政省を率いたマリア・アントニエタ・アルバ元大臣に対して続投の声掛けをしたとの報道もあり、政策の継続性への期待が高まっている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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