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第3四半期のインフレ率2.5%、政府目標の範囲内に

(フィリピン)

マニラ発

2020年11月05日

フィリピン中央銀行(BSP)は10月29日、「インフレーション・レポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で、2020年第3四半期の消費者物価指数(CPI、総合指数)の上昇率は前年同期比2.5%で、政府の目標範囲(注)の2~4%に収まっていると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。第2四半期の上昇率は2.3%で、緩やかな物価上昇が続いている。

四半期ごとに発行される同レポートでは、物価動向やマクロ経済状況に関するBSPの分析結果を公表している。同レポートによると、物価上昇が抑えられている理由について、交通や石油製品などの非食品分野の項目で大きな物価上昇があった一方、食品分野の幾つかの項目で上昇率が低かったことで、非食品分野の物価上昇を相殺したと説明している。

分野ごとにみると、非食品分野では、交通に関して、トライシクル(三輪タクシー)に加え、ジプニー(乗り合いバス)、バス、船舶の運賃が上昇し、前年同期比で7.0%の物価上昇があった。運賃の急激な上昇による通勤費用の増加は、家計の大きな負担となっている、との報道もある(「インクワイヤラー」紙ほか地元各紙10月6日)。

他方、食品分野では、コメが乾季での収穫量が増加したことや、輸入によるコメの供給増加があったことが原因で、前年同期比で0.9%の物価下落が生じている。

BSPは、これらの要因に加えて、新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内外の経済活動が減速したことや、通貨ペソの対ドル為替が上昇したことにより輸入物価の上昇が抑制されたことも、物価上昇を抑える方向に寄与したと説明している。

また、BSPは、2020年から2022年にかけてのインフレ予想について、政府の目標値2~4%に収まると発表した。新型コロナウイルス感染拡大によって、国内外の経済活動が停滞し、物価上昇率が下振れするリスクを抱えるものの、現在のマクロ経済環境を基に推計を行うと、目標値に収まるとした。

なおBSPは、新型コロナウイルス感染拡大によりダメージを受けた国内経済を活性化させるため、金融緩和を継続している。2020年11月03日時点で、政策金利の翌日物借入金利、翌日物貸出金利、翌日物預金金利は、それぞれ2.25%(2019年12月末時点:4.0%)、2.75%(4.5%)、1.75%(3.5%)となっている。

(注)フィリピン政府は、物価上昇率の目標範囲を明示し、物価上昇率の予想値が範囲内に収まるように金融政策を運営するインフレターゲットを導入している。政府は、2020年から2022年まで、年間でのCPI上昇率の目標範囲を2~4%としている(2020年01月10日記事参照)。

(吉田暁彦)

(フィリピン)

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