2020年の北京市戸籍の取得資格者を発表、民営企業の従業員が7割超

(中国)

北京発

2020年11月06日

中国で11月3日に公表された「国民経済社会発展第14次5カ年規画および2035年までの長期目標制定に関する建議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の中では、「新型都市化」戦略を引き続き推進・完備する方針が示された。「新型都市化」の取り組みについては、国家発展改革委員会が2019年4月に公布した「重点任務」の中で、常住人口が500万人以上の都市はポイント制による戸籍取得政策を整備し、その審査では社会保険納付期間や居住期間といった評価項目のウエートを高めることなどを盛り込んでいた(2019年4月16日記事参照)。北京市でもポイント制による戸籍取得政策が整備され、それに基づく戸籍取得資格の認定が行われている(注1)。

北京市人力資源・社会保障局は2020年の戸籍取得資格の認定者は6,032人と発表した。資格認定者は10月23日から2022年12月31日の間に、関連規定に基づき北京市戸籍の取得手続きを行うことができる。

同局が7月16日に発表した、「北京市ポイント制による戸籍取得管理弁法(2020年版)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、(1)合法かつ安定的な就業、(2)合法かつ安定的な住居、(3)学歴、(4)居住区域、(5)イノベーション・起業(コンテストでの受賞歴など)、(6)納税状況、(7)年齢、(8)栄誉表彰、(9)法律違反の有無の各要素で定められた基準を満たすとポイントが加算され、その累積ポイントが一定の値を越えた人は戸籍取得資格を申請することができる(注2)。

同局の担当者によると、2020年版政策が実施されてから3カ月間で計12万2,852人が北京市の戸籍取得資格を申請した(注3)。今回、戸籍取得資格を認定された6,032人の出身地域を見ると、河北省や遼寧省、黒龍江省、山東省、吉林省など、北京市周辺や東北地方が全体の7割を占めている。年齢は30~57歳と幅広く、大学専科以上の学歴を有する者の割合が大きい。勤務している業界を見ると、情報技術や技術サービス、ハイテク製造、金融など、幅広い業種にわたっている。このうち、民営企業に従事する者の割合は74.8%、ハイテク企業に従事する者は34.7%だった。北京市は、ポイント制による戸籍取得資格認定制度が民営企業の活力発揮に積極的な役割を果たしていると評価している。

(注1)北京市の2018年の人口は常住人口ベースで2,154万人、戸籍人口ベースでは1,376万人となっている。

(注2)例えば、年齢が45歳未満であれば20ポイントが加点され、45歳以上の場合、1歳増えるごとに4ポイントずつ累計から引かれる。

(注3)北京市の統計によると、2018年、2019年の北京市戸籍取得者は合計2万405人となっている。

(趙薇)

(中国)

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