新型コロナ制限措置強化に伴い、新たな企業支援策を発表

(イタリア)

ミラノ発

2020年11月04日

イタリア政府は10月27日、企業救済措置を含む54億ユーロ規模の新たな経済対策を発表した(同28日官報掲載、29日から有効)。先日施行された10月24日付首相令により、飲食業など一部のセクターは営業時間の制限あるいは営業停止の対象となっているが(2020年10月28日記事参照)、これらの制限措置によって打撃を受ける企業への経済的支援を1つの狙いとする。「回復令」(Decreto Ristori)と名付けられた本令における、企業支援措置に関する主な内容は以下のとおり(注1)。

  • 10月24日付首相令で定める制限措置によって影響を受ける産業に対し、給付金を支給する。ただし、10月25日時点で有効な付加価値税登録番号(partita IVA)を保持している場合のみ対象。支給額は、5月に発表された「再出発令」(Decreto Rilancio)(2020年5月26日記事参照)において規定された給付金制度での金額などを基準とし、所属するセクターごとに定められた係数を乗じたかたちで計算される(注2)。なお、「再出発令」の際に給付金制度を利用しなかった場合も、今回、申請は可能。また、「再出発令」で規定された給付金の支給対象は、売上高500万ユーロ以下の事業者に限定されていたが、今回は売り上げ要件が定められていない。そのほか、いずれの場合においても、支給額は15万ユーロを超えないものとする。
  • 新型コロナウイルスによる影響を受け、活動の停止あるいは縮小を余儀なくされた雇用主は、最長6週間、新型コロナウイルスを理由として、従業員の一時帰休時の給与補助を行う通常給与補助金庫(Cassa Integrazione Ordinaria)などの申請をすることができる。適用可能期間は、2020年11月16日から2021年1月31日まで。
  • 10月24日付首相令によって影響を受けたセクターの事業者は、2020年11月の社会保険料などの納付を2021年3月16日まで繰り延べすることができる(分割払いも可)。

(注1)「10月24日付首相令によって影響を受けた」具体的なセクターについては、本令付属書1(Allegato 1)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。レストラン、ジムなどが対象に含まれている。

(注2)具体的な支給額の計算方法については、本令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの第1条および付属書1参照。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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