香港とシンガポールの隔離なし相互一般渡航、11月22日開始

(シンガポール、香港)

シンガポール発

2020年11月16日

シンガポールと香港は11月22日から、隔離なしで相互一般渡航が可能な「トラベルバブル」を開始する。シンガポール民間航空庁(CAAS)の11月11日の発表によると、トラベルバブル専用の航空便を22日から1日1便(200人が上限)で開始し、12月7日から1日2便(1便当たり最大200人)へ増便する。

シンガポールと香港は10月15日、トラベルバブル設置で基本合意したと発表していた(2020年10月22日記事参照)。トラベルバブルは、渡航の目的に制限がない上、事前に行動計画の提出が必要なく、シンガポールがこうした相互一般渡航で合意するのは香港が初めてとなる。CAASの発表によると、トラベルバブルが利用できるのは、シンガポールまたは香港に過去14日間滞在した人が対象となる(注1)。トラベルバブルの利用者は渡航前72時間以内に、PCR検査を受ける必要がある。また、シンガポールから香港に入境する場合には、香港到着時に空港でPCR検査を受けなくてはいけない。PCR検査が陰性ならば、その後の行動は自由となる。

一方、香港からの渡航者は、シンガポール入国時にPCR検査は必要ではない。しかし、シンガポールの国民、永住権者、就労パスなどの長期ビザ保有者を除く外国人で香港からシンガポールに入国する前には、エアトラベル・パスの申請と、シンガポール在住時に追跡アプリ「トレース・トゥゲザー」をダウンロードする必要がある。香港からシンガポールへのエアトラベル・パスの申請は11月22日からできる(注2)。なお、シンガポールか香港のいずれかで新型コロナウイルスの感染状況が今後悪化した場合には、トラベルバブルを一時停止するとしている。

オン・イエクン運輸相は11日、自身のフェイスブックに公開した動画で、アジアの2つの航空ハブの間で結ばれた渡航目的に制限がない「世界で初めての種類のトラベルバブルだ」と強調した。オン運輸相は香港の人々向けに広東語で「より多くの香港からの人々をシンガポールに迎えられることを願っている」と呼びかけた。

(注1)シンガポールで建設、造船、石油プラントなどプロセス分野で働く外国人の就労査証保持者は今回、トラベルバブルの利用ができないとしている。

(注2)香港とシンガポール間のトラベルバブルの詳細とエアトラベル・パスの申請は、シンガポール移民局のセーフトラベルのサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール、香港)

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