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移行期間後の北アイルランド貿易関連ガイダンス公開、混乱の懸念も

(英国、EU)

ロンドン発

2020年11月20日

英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う移行期間終了まで残り約6週間と期限が迫る中、移行期間終了後の「モノの移動」に関する手続きなどのガイダンスが英国政府から発表されている。中でも、EU加盟国のアイルランドと国境を接する北アイルランドについては、地理的な特性上、英国本土のグレートブリテン島とは異なる独自の手続きが見られる(添付資料参照)。

11月6日に更新された政府ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、北アイルランドと第三国(EU・英国以外)との輸出入の際、一部条件の下、XIで始まるEORI番号(以下、「XI EORI番号」)(注)の取得が必要になるとした。移行期間終了後、英国はEUにとって第三国の扱いとなるため、英・EU間で輸出入を行う際にはEORI番号、グレートブリテン島・EU間ではGBで始まるEORI番号(以下、「GB EORI番号」)の取得が求められるが、北アイルランドと第三国間の輸出入において同国での輸入申告や税関当局からの承認を得る場合にはXI EORI番号の取得が必要となる。これには既にGB EORI番号を保持していることが条件とされる。

11月16日には、移行期間後の英国との貿易における通関手続きに関するガイダンスが公開されており(英国向け輸出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英国からの輸入外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、主に通関手続きでの輸入申告の要否について言及されている。北アイルランドとの輸出入についても示し、例えば、北アイルランド・EU間では輸入申告は不要としている。

また、トレーダーサポートサービス(TSS)にも言及し、事業者に対して同サービスへの登録を促している。同サービスは、北アイルランドとの輸出入を行う事業者に対して、輸入申告の代行や情報提供などを無料で行うものだ。18日付の政府発表では、11月16日時点で7,267社が登録、さらに直近の10日間で50%増となるなど、移行期間後に向け急増しているという。

英国会計検査院は11月6日に公表した同国のEU離脱に伴う移行期間終了後の国境管理の準備状況に関する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の中で、北アイルランドでのモノの移動に関する準備が整っておらず、移行期間終了後は広範囲にわたり大きな混乱が生じる懸念があると警告(2020年11月13日記事参照)。また、そのような危機的状況を危惧する北アイルランド事業者の中からは、12月31日に終了する移行期間に対して、同地域での延長を求める声も上がっている(「ガーディアン」紙11月18日)。

(注)事業者登録・識別(EORI:Economic Operators Registration and Identification)システムによって、 EU内の事業者(法人および個人)の登録と識別のために与えられる固有の番号のことで、同番号は、事業設立地を示す2文字のアルファベットからなる国番号と、それに続く14あるいは15桁の数字とアルファベットで構成される。

(尾崎翔太)

(英国、EU)

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