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英会計検査院、移行期間終了後の国境管理の準備不足に警告

(英国、EU)

ロンドン発

2020年11月13日

英国会計検査院は11月6日、同国のEU離脱に伴う移行期間の終了後の国境管理の準備状況に関する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。この報告書は、同院が10月30日までに入手可能な情報に基づき評価したもの。

報告書の中で同院は、英国政府によるここ数カ月の移行期間終了後のインフラ整備やシステム開発、国境管理に必要な体制整備などについて進展はあるものの、新型コロナウイルスの影響で政府の準備が遅れているとした。特に、貿易業者の対応準備や、離脱協定のアイルランド/北アイルランド議定書(プロトコル)の履行による物流・手続きの混乱のリスクがあり、2021年1月1日に広範囲にわたる混乱の発生を予想している。

具体的には、港湾が新規または変更された政府のシステムと自身のシステムを統合する時間がほとんどなく、EUが英国からの輸出に対し、2021年1月1日から導入するとみられる完全な国境管理に対し、貿易業者らが準備できている可能性が非常に低いとした。また、移行期間終了後のプロトコルの履行については、必要な変更の規模と複雑さ、時間の不足、進行中のEUとの協議の影響により、予定どおり履行できない可能性があると指摘している。

英国政府はこれまで移行期間終了後のEUとの物流対策として、物流の最悪のシナリオ(2020年9月25日記事参照)、グレートブリテン島とEU間の国境モデル改訂版(2020年10月15日記事参照)の公表、EUとの玄関口であるイングランド南部ケント州の高速道路M20の円滑な運行を維持するための計画「オペレーション・ブロック」などの発表(2020年10月27日記事参照)、重要な医薬品やその他の物資の流れを確保する措置など立て続けに準備を行ってきた。政府は2020年だけで新たなインフラ整備やシステム開発などに14億1,000万ポンド(約1,960億円、1ポンド=約139円)の資金拠出を発表している。

しかし、同院は、これらの資金拠出や各種準備を織り込んでも、政府が進める物流対策の準備が移行期間終了までに完了できるかどうかは不透明とし、できない場合の影響については未知数だとした。同院は、政府が引き続き国境に関する未解決の問題に対処し、強力な緊急時対応計画を策定する必要性を指摘している。

(宮口祐貴)

(英国、EU)

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