韓国版ニューディールファンド、ゲームやKポップも投資対象へ

(韓国)

中国北アジア課

2020年10月06日

韓国企画財政部は9月28日、「韓国版ニューディール」(注)推進のため新たに創設する20兆ウォン(約1兆8,000億円、1ウォン=約0.09円)規模の「国民参加型ニューディールファンド」について、投資ガイドラインを発表した。

同ファンドの創設は韓国版ニューディール構想の柱である「デジタルニューディール」と「グリーンニューディール」の各分野への投資財源確保の目的で、大統領府が9月初めに明らかにしていた。

20兆ウォンの内訳は、政府3兆ウォン、政府系金融機関4兆ウォン、民間金融機関と個人13兆ウォン。2021年早期にファンドを組成し、2025年までの5年間資金を集める計画だ。

投資ガイドラインでは、投資対象(40分野・179業種)について、(1)デジタル、(2)環境(グリーン)に関するものに分けて以下のように選定している。

  1. デジタル関連では、次世代医療、スマートヘルスケア、第5世代移動通信システム(5G)、人工知能(AI)、ゲーム、音楽・映画・アニメなど30分野。
  2. 環境関連では、次世代動力装置、バイオ素材、再生可能エネルギー、環境保護技術、電気自動車(EV)など環境関連の17分野。

なお、革新的技術や素材・部品を供給する企業(川上分野)や、当該技術を活用した事業(川下分野)も投資対象に含まれるとし、投資分野のうちロボットや次世代半導体など7分野は、両方の分野に記載されている。

企画財政部はオンラインゲームや、オンラインコミック、Kポップなどとニューディールとの関連性について、投資対象の範囲を幅広くすることで民間の創意工夫を最大限に活用する狙いがあり、「オンラインゲームはデジタル教育コンテンツの開発に、オンラインコミックは青年障害者向けの教育支援に活用が期待できる。KポップはオンラインによるKポップ公演の支援を想定している」と説明している(同部ウェブ)。

(注)「新型コロナ禍」からの経済・雇用回復とポスト・コロナに向けた競争力強化を目指し、政府が7月に発表した国家戦略(7020年7月17日記事参照)。

(原実)

(韓国)

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