国民投票の結果、新憲法制定に着手することが決定

(チリ)

サンティアゴ発

2020年10月27日

チリにおいて、新憲法制定の是非を問う国民投票が10月25日に実施された。開票結果は、賛成588万6,421票(得票率78.27%)、反対163万4,107票(21.73%)となり、今後、チリが国家として新憲法制定へ向けたプロセスを進めていくことが決定した。事前の世論調査では7割弱が賛成を表明していたが(2020年10月7日記事参照)、その予想を上回る約8割の投票者が賛成票を投じた。

加えて、新憲法の起草を主導する組織の構成員についての投票結果は、「100%民間から選出する」が564万6,427票(78.99%)、「現職の国会議員と民間の代表者から50%ずつ選出する」が150万1,793票(21.01%)となり、前者を採用することが決定した。今後は、民間からの代表者155人を選出するための選挙が2021年4月11日に行われ、同年5~6月に新憲法議会が設置される予定になっている。同議会が新憲法の内容を作成するまでの期間は、議会設置から9カ月間(3カ月の延長可能)と定められており、作成された新憲法の内容承認の是非を問う再度の国民投票の実施は、2022年半ばを予定している。

10月26日付の「ラ・テルセラ」紙によると、新憲法起草に当たっては、2019年の反政府デモ時の要求となっていた教育、健康、年金などの社会保障、警察や中央銀行などの国家権力の在り方、先住民の認知などのテーマが議論の対象となることが見込まれている。

(岡戸美澪)

(チリ)

ビジネス短信 e241d8f6b3392e72