9月の自動車生産台数、国内市場向けは前年同月比でプラスに

(タイ)

バンコク発

2020年10月23日

タイ工業連盟(FTI)は10月19日、2020年9月の自動車生産台数が前年同月比11.3%減の15万345台と、17カ月連続のマイナスになったと発表した(添付資料図表参照)。タイの自動車生産台数は4月を底に5月から回復に転じ、9月は前月比で28.2%増加し、2020年2月以来7カ月ぶりに15万台を超えた(2020年9月25日記事参照)。

内訳は、輸出向け生産台数が全体の45.2%を占め、前年同月比25.4%減の6万7,964台、国内販売向けが全体の54.8%を占め、5.1%増の8万2,381台となった。部門別では、乗用車が前年同月比19.3%減の5万5,669台、ピックアップトラックなどの商用車が5.8%減の9万4,676台だった。1~9月の累計では、生産台数が前年同期比38.8%減の96万3,066台で、輸出向けが37.5%減の50万9,423台、国内販売向けが40.1%減の45万3,643台となった。部門別では乗用車が前年同期比42.2%減の36万3,809台、商用車が36.4%減の59万9,257台だった。FTIは、10~12月に、9月の月間15万台レベルを維持できれば、2020年通期の生産台数は140万台に達する、との見通しを示した。

9月の販売台数は、前年同月比4.1%減の7万7,433台となり、16カ月連続マイナスになったが、5月以降は回復基調にあり、8月の6万8,883台に比べると12.4%増加した。1~9月の累計では、前年同期比22.1%減の53万4,219台となった。FTIは、新型コロナウイルス感染症の第2波が到来しなければ、2020年通期の販売台数は70万台を超えると見通している。

9月の輸出台数は、前年同月比34.5%減の6万3,941台となり、15カ月連続のマイナスだった。新型コロナウイルス感染拡大による各国での販売縮小の影響により、全ての地域への輸出台数が引き続き減少したが、8月の5万7,402台に比べると11.4%増加した。完成車の輸出額は、28.9%減の368億バーツ(約1,214億円、1バーツ=約3.3円)にとどまった。また、完成車、エンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は25.3%減の約540億バーツだった。1~9月累計では、完成車の輸出台数は前年同期比36.5%減の52万1,457台で、輸出額は31.9%減の約2,882億バーツとなった。完成車、エンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額も32.4%減の4,114億バーツと落ち込んだ。FTIでは、新型コロナウイルス感染症の第2波が到来せず、輸出相手国でロックダウンが発生しなければ、2020年通期の輸出台数70万台を達成する、との見通しを示した。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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