米ディズニー、加州ガイドライン公表されるも、テーマパーク再開の見通し立たず

(米国)

ロサンゼルス発

2020年10月23日

米国カリフォルニア州公衆衛生局は10月20日、テーマパークの再開に向けてガイドラインを公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。ガイドラインは、同州が定める4段階の経済再開の基準(2020年9月8日記事参照)に応じて、テーマパークの再開の可否や規制の詳細を定めている。最も制限が厳しい「紫色」とその次の「赤色」段階の郡では全ての営業を禁止する。「オレンジ」段階で小規模施設が入場者数などの制限付きで再開可能となり、「黄色」段階で全ての施設の制限付き再開を認める。ガイドラインの詳細は添付資料参照。

カリフォルニア州のディズニーランドはオレンジ郡、ユニバーサルスタジオはロサンゼルス郡に所在する。今回発表されたガイドラインに従えば、これらのテーマパークが再開するためには、各郡は新型コロナウイルスの10万人当たりの新規感染者数(1週間平均値)が1人未満などの基準を満たし、「黄色」段階に移行する必要がある。しかし、ロサンゼルス郡は「紫色」段階で同新規感染者は7.6人、オレンジ郡は「赤色」段階で同4.6人と、依然として「黄色」段階の基準を大きく上回っている(10月20日時点)。

主要なテーマパークが再開するまでまだ数カ月は必要で、オレンジ郡関係者の予測に基づけば、ディズニーランドは2021年夏までは再開することはないだろうと報じられている(「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版10月20日)。ガイドラインをめぐっては、規制内容に関して当局とテーマパーク側の対立が続き、公表が遅れていた。カリフォルニア州のテーマパークは「新型コロナ禍」で苦境が続いており、ウォルト・ディズニー・カンパニーは9月末、米国内で2万8,000人の解雇を発表している(2020年10月2日記事参照)。

プロスポーツイベントの屋外観戦を再開

また、カリフォルニア州公衆保健局は10月20日、屋外で行うスポーツイベントについても、再開に向けてガイドラインを公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

ガイドラインでは、同州が定める4段階の経済再開の基準のうち、「オレンジ」段階の郡では観客数を収容定員の20%、「黄色」段階の郡では同25%に制限した上で、屋外で行うプロスポーツイベントへの観戦者の入場を認める。「紫色」や「赤色」段階の郡では、引き続き観戦者の入場は認められない。また、ガイドラインでは、チケット販売をスタジアムなどから半径120マイル(約190キロメートル)以内の住人に制限し、座席は全て指定席とすることを求めているほか、観戦者に対して、フェースカバー着用や指定された席での飲食を義務付け、大声での応援やブーイングをしないよう求めている。

(永田光)

(米国)

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