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欧州議会、2030年温室効果ガス60%削減を本会議で可決

(EU)

ブリュッセル発

2020年10月09日

欧州議会は10月7日の本会議で、2030年の温室効果ガス排出60%削減(1990年比、以下同)の目標を含む、規則案「欧州気候法」(以下、規則案)に対する修正案を賛成多数で可決外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同修正案は9月11日に欧州議会の常任委員会で取りまとめられたもの(2020年9月14日記事参照)。60%削減目標は、議会最大会派の欧州人民党(EPP)グループが反対する意向を示していたため採決の行方が注目されたが、同グループの一部議員が賛成に回ったことで僅差ながら可決された(注1)。

EU理事会、欧州委との3者対話へ

削減目標以外にも、2050年の気候中立をEU全体だけでなく全加盟国でも達成すること、化石燃料産業に対する全ての補助金を2025年末までに段階的に廃止すること、EUおよび加盟国の気候変動に関する政策を科学的見地から監視する独立の機関「EU気候変動評議会(ECCC)」を設置することなど、規則案への主だった修正案が可決された。

排出削減目標を40%に設定する現行規則案に対しては、欧州委員会も別途9月17日に「少なくとも55%」への上方修正を提案している(2020年9月18日記事参照)。欧州議会は今後、「通常立法手続き」と呼ばれるプロセスに基づき、共同立法機関であるEU理事会(閣僚理事会)と規則案の協議を開始する。同手続きでは規則の成立には、欧州議会の過半数およびEU理事会の特定多数(注2)の両方が必要となる。難航が予想されるが、欧州議会、EU理事会、欧州委の3者間での非公式交渉「トリオローグ(3者対話)」を通じて調整が図られることになる。

野心的な削減目標の設定には産業界から懸念の声も挙がっている。欧州商工会議所(ユーロチェンバース)は8日、欧州議会の採決結果を受けて「EUには、単なる希望的観測ではなく、現実的な目標と明確な実行計画に基づいたアプローチが求められる」との声明を発表。削減目標が企業に過度なコスト負担を強いて、グリーン・ディールに不可欠な企業の投資余力を削ぐ要因になってはならないとの立場を示した。

(注1)10月6日に行われた論点ごとの投票で、60%削減目標は26票差で可決された。規則案に対する修正案をまとめた報告書全体を採択する7日の最終投票では、EPPグループの大半が棄権に回ったため、賛成392、反対161、棄権142の大差で可決された。

(注2)特定多数決では、賛成する加盟国の国数と、EU人口に占める割合の2つの基準があり、単純多数決より法案の成立要件が厳しい。

(安田啓)

(EU)

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