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欧州議会の常任委員会、2030年温室効果ガス60%削減の修正案を可決

(EU)

ブリュッセル発

2020年09月14日

欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会は9月11日、欧州委員会が提案している規則案「欧州気候法」(注)に対する修正案をまとめた報告書を採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同規則案が目標とする、2030年の温室効果ガス排出50~55%削減(1990年比、以下同)を、同60%削減に上方修正した点が報告書の特徴だ。

欧州議会でも目標削減率にばらつき

報告書ではさらに、(1)2050年の気候中立(温室効果ガス排出実質ゼロ)目標に向けて2040年の中間目標を設定すること、(2)欧州委が2023年5月末までに2050年気候中立までの具体的な道筋を提案すること、(3)欧州気候法が掲げる2050年の気候中立はEU全体だけでなく全加盟国においても達成されること、(4)2050年以降は正味の排出量マイナスをEUおよび加盟国が達成すること、などの修正を求めている。報告書原案では、2030年の削減目標を65%としていたが、委員会で60%に修正された。

修正案は今後、10月5~8日の欧州議会本会議で採決され、採択されればEU理事会(閣僚理事会)の承認手続きに進む。報告書を取りまとめた、欧州議会のユッテ・ギューテランド議員〔スウェーデン、社会・民主主義進歩連盟(S&D)グループ〕は「報告書の採択は欧州委およびEU理事会に対する明確なメッセージだ」とコメントした。しかし、欧州議会の中でも、「60%削減」に対して慎重な見方もあり、採決の行方は不透明だ。最大会派の欧州人民党(EPP)グループは9月10日付の声明で、「2050年の排出量実質ゼロは野心的で挑戦的な目標であり、われわれは現実的でなければならない」とし、EPPグループとしては最低50%、条件付きで55%の削減目標を支持する立場を示している。

またEU理事会では、削減にかかるコストを懸念する中東欧諸国からの抵抗も予想され、欧州気候法の成立まではさまざまな駆け引きが続くとみられる。

(注)欧州気候法規則案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、気候中立を達成するための枠組みを設定し、また、2030年の排出削減目標を1990年比で40%減に設定した規則2018/1999(2018年12月採択)を修正する内容。

(安田啓)

(EU)

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