激戦州アリゾナでバイデン氏リード広げる、米大統領選世論調査

(米国)

米州課

2020年10月19日

米国ニュージャージー州のモンマス大学は10月15日、11月の米国大統領選挙で激戦が予想されるアリゾナ州での世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。「もし今日、大統領選挙が実施されたら誰に投票するか」という質問に対し、民主党のジョー・バイデン前副大統領は50%、共和党のドナルド・トランプ大統領は44%だった。バイデン氏のリードは9月の前回調査(バイデン氏48%、トランプ大統領44%)から2ポイント拡大した。

回答者層別にみると、アリゾナ州の有権者の24%(注2)を占めるラテン(ヒスパニック)系で、バイデン氏の支持率は66%と、トランプ大統領(28%)に大差をつけている。一方、白人層ではトランプ大統領(51%)がバイデン氏(42%)に対して優位に立つ。モンマス大学世論調査研究所のパトリック・マレイ部長は「バイデン氏は(前回の民主党候補の)ヒラリー・クリントン氏よりヒスパニック系有権者の支持を集めつつあり、白人層でも同様の傾向にある。この傾向が変わらなければ、アリゾナ州でのバイデン氏の勝利は十分にあり得る」との見方を示した。

地域別にみると、アリゾナ州の有権者の60%が集中するマリコパ郡で、バイデン氏のリードは7ポイントに及ぶ(バイデン氏:50%、トランプ大統領:43%)。そのほか、前回選挙の得票率でクリントン氏がトランプ大統領を合計16ポイント上回った4郡(注3)では、今回調査でバイデン氏のリードは28ポイントに拡大している(61%、33%)。他方、前回選挙でトランプ大統領が制した10郡では、同大統領がバイデン氏に対し17ポイント差をつけるが、前回選挙時のクリントン氏に対するリード(26ポイント)からは縮小している。

同調査で、アリゾナ州の有権者が「重視している」と回答した割合が最も高かった選挙の争点は、「法と秩序」(58%、注4)だった。各争点でどちらの候補がより信頼できるかを聞いたところ、「経済」(トランプ大統領:48%、バイデン氏:37%)、「法と秩序」(46%、40%)では、トランプ大統領の支持がバイデン氏を上回った。他方、「新型コロナウイルス対応」(38%、48%)、「ヘルスケア」(40%、47%)では、バイデン氏により信頼が置かれている。

激戦州ノースカロライナではバイデン氏が僅差でリード

大統領選では、他の激戦州でもバイデン氏優位な傾向にある。モンマス大学が10月13日に発表したノースカロライナ州での世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注5)によると、バイデン氏の支持率(49%)はトランプ大統領(46%)を3ポイント上回った。ジョージア州やオハイオ州の世論調査でもバイデン氏がリードする結果となっている(2020年10月15日記事参照)。

(注1)調査実施時期は10月9~13日。対象者はアリゾナ州の有権者502人。

(注2)2018年時点。ピュー・リサーチ・センター調査結果(2020年9月28日記事参照)。

(注3)アパッチ郡、ココニノ郡、ピマ郡、サンタクルス郡。

(注4)次いで、新型コロナウイルス(47%)、ヘルスケア(46%)、経済(45%)となった。

(注5)調査実施時期は10月8~11日。対象者はノースカロライナ州の有権者500人。

(甲斐野裕之)

(米国)

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