中国の9月の都市部調査失業率は5.4%

(中国)

中国北アジア課

2020年10月30日

中国人力資源・社会保障部の盧愛紅報道官は10月23日、2020年第3四半期(7~9月)の情勢を報告する記者会見で、「第3四半期の雇用情勢は全体的に安定を維持した」との見解を示した。9月の中国の都市部調査失業率(注)が5.4%と、5月の全国人民代表大会で定めた2020年の政府目標(6.0%前後)を下回っている点、1~9月の都市部新規就業者数が898万人に達した点(2020年政府目標は900万人以上)などを評価した。盧報道官は、個人創業ローンの適用対象範囲拡大や農民工の就業サポートの効果を指摘した。また、大学卒業生など重点対象に向けた支援の着実な推進、職業技能訓練の強化などにも触れた。

都市部調査失業率は新型コロナウイルスの感染拡大などの影響もあり、2月に6.2%となってから例年よりも高い水準が続いていた(添付資料図参照)。ここにきて5%台前半までは低下し、今後の推移が注目される。

低下傾向を評価する声がある一方、農民工や大学卒業生などの就業について不安視する声も聞かれる。国家統計局の劉愛華報道官も10月19日、1~9月の経済情勢を発表した記者会見で(2020年10月26日記事参照)、9月の専門学校・大学卒業以上の20~24歳の調査失業率は、前月より2.4ポイント低下したものの、前年同月と比較すると4ポイント高い状況にあると述べていた。

(注)都市部調査失業率には、農民工など都市部常住人口も含まれる。

(宗金建志)

(中国)

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