タミル・ナドゥ州、ロックダウンを10月末まで延長
(インド)
チェンナイ発
2020年10月06日
インドのタミル・ナドゥ(TN)州政府は9月29日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンを10月末まで延長することを発表した。今回の措置は、中央政府のロックダウン措置の段階的解除(Unlock 5.0)に関するガイドライン(2020年10月5日記事参照)に対応するものだ。同州では既に他州と同程度の経済活動の再開などを認めていたことから、制限緩和は限定的となった。一方で、中央政府のガイドラインで原則禁止されている州独自のロックダウン措置については、引き続きその一部のみを継続することとなった。
TN州政府が公表したロックダウン措置に関する9月30日付通達(添付資料参照)によると、レストランは10月1日から午前6時~午後9時(持ち帰りは午後10時まで)に営業することが可能となるほか、100人以下での映画の撮影も認める。また、チェンナイ空港での他州からの国内線到着数の上限がこれまでの1日50便から100便に拡大する。
学校や娯楽施設などの再開は盛り込まれず
TN州の10月末までのロックダウン措置は中央政府のガイドラインにおおむね沿った内容となっているものの、州独自の規制も幾つか見られる。
例えば、9月30日付通達では、第10~12学年(日本の高校1~3年生に相当)の学生の通学を一定の条件下で認めることを除き、通学の再開は認めていない。中央政府のガイドラインでは、学校などの教育機関は学年に関係なく10月15日以降に再開させることを各州政府に認めている。
また、TN州では映画館やスイミングプール、娯楽施設、ビーチ、動物園、博物館などは10月15日以降も再開を認めないとした。
加えて、同州における新型コロナの検査方針に関するガイドラインが8月31日から改定されていないため、他州や外国からの入域者については、eパス(許可証)を事前に申請することが求められる。
封じ込め地区では引き続き、不可欠な物資やサービスの供給などの活動のみ認める。
TN州政府によると、10月1日時点の州内の新型コロナ累計感染者数は国内4位の60万3,290人で、同日には新規感染者が5,688人確認されている。
(坂根良平)
(インド)
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