UAE、モビリティー分野やフリーゾーンでもイスラエルと連携

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

ドバイ発

2020年10月01日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイの財閥アル・ハブトゥール・グループは9月23日、先進運転支援システム(ADAS)としてのマッピング技術を開発するイスラエルのモービルアイと提携したことを発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。自動運転車の導入などモビリティー分野で協力し、ドバイのスマートシティー化を目指す。

同グループは国内外に14軒のホテルを所有し、三菱自動車や英国マクラーレンなどの代理店も務める財閥企業だ。モービルアイの持つ先端技術を活用し、ドバイで4段階に分けたプロジェクトを開始する。データ収集と路面での走行試験、商業化テストを経て、2023年までに自動運転車の一般消費者向けサービス開始を目指す計画だ。なお、具体的な投資額は発表されていない。

UAEとイスラエルが国交正常化に合意した8月13日以降、両国間の連携が官民学にわたり次々に発表されている。9月15日に署名された協定文書では、医療やテクノロジー、金融など15分野に上る連携分野が示されており(2020年9月17日記事参照)、新型コロナウイルス検査キットの開発協力(2020年8月18日記事参照)を皮切りに、複数の分野で連携事例が見られる(2020年9月17日記事参照)。今回の事例も、イスラエルが持つテクノロジーと、UAEが持つオイルマネーや市場に互いがアクセスし得ることとなり、国交正常化の恩恵を受けるビジネスモデルの好例と言える。

また、経済団体の連携も相次いで発表されている。UAE国営エミレーツ通信社(WAM)は9月24日、ドバイとテルアビブの両商工会議所が協力合意書に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、ビジネス・フォーラムのオンライン開催を計画していると報じた。25日には、イスラエル商工会議所連合会とドバイ空港フリーゾーン庁(DAFZA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますジュベルアリ・フリーゾーン庁(JAFZA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがそれぞれ提携に向けた覚書(MOU)を締結したと報じた。ビジネスを取りまとめる立場にある組織が提携することで、今後は両国の商工会議所の会員企業や有力フリーゾーンの入居企業など、さらなる企業間の協業の進展が期待される。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

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