中国政府、養老機構管理弁法(改正版)を発表

(中国)

北京発

2020年10月16日

中国民政部は9月19日、「養老機構管理弁法(以下、本弁法)」を発表した。旧「養老機構管理弁法」が2013年に制定されてから初めての改正で、2020年4月14日付でパブリックコメントを募集、提出された意見を踏まえ、新たに17条が追加、29条が修正された。本弁法は2020年11月1日から施行される。

本弁法では、「養老機構」を「法に基づき登録手続きを行い、高齢者に対し『全日集中住宿(宿泊)と介護サービス』を提供する、10床以上のベッド数を有する施設(営利目的、非営利目的を問わない)」と定義した(第2条)。「全日集中住宿」と明確化したことで、養老機構にはいわゆるデイケアセンターや高齢者住宅を含まないことが明確化され、失能(身体能力が低下した状態)高齢者をサービス対象として発展させていく方向性を強調している。

政府が出資して建設した養老機構については、委託管理、賃貸借経営などの方法で民間事業者に運営や管理を委託することができると明確化した(第6条)。

また、2018年12月に改正された「老年人権益保障法(高齢者権益保障法)」において「養老機構設立について許可制度を取り消し登録制度とする」と規定されたことを受け、本弁法第2章では、登録先機関、登録に要する時間、提出書類、手続きの流れなどが規定された(第9~14条)。

さらに、入居者の安全性確保の強化が定められており、24時間常駐体制を設けること、共用スペースには監視カメラを設置することを求めている(第28条)。

2022年1月1日には、介護分野における中国初の強制性国家標準となる「養老機構服務安全基本規範」の施行が予定されており、介護サービスの品質をさらに高める方針が明確に示されている。

(唐澤和之)

(中国)

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