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欧州委、復興基金の中核政策「復興レジリエンス・ファシリティ」のガイダンスを公表

(EU)

ブリュッセル発

2020年09月18日

欧州委員会は9月17日、復興レジリエンス・ファシリティ(RRF)の実施に関する戦略的ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。RRFとは、「新型コロナウイルス危機」からの復興を目的とした復興基金の中核となる政策として、総額6,725億ユーロ(返済不要の補助金3,125億ユーロおよび融資3,600億ユーロ)からなる加盟国への支援制度で、7月21日の欧州理事会(首脳会議)で政治合意(2020年7月21日記事参照)していたものだ。今回のガイダンスは、RRFの枠組みにおいて、まず各加盟国が復興計画として改革案や公共投資案を含む復興レジリエンス計画案を欧州委に提出し、審査受ける必要があることから、計画案に含めるべき要素を紹介するものだ。

気候変動対策やデジタル化対策が重点要素

今回のガイダンスによると、復興レジリエンス計画案は(1)ヨーロピアン・セメスター(EU加盟国間の経済・財務政策の協調枠組み)における国別勧告で指摘された課題に対して効果的に取り組むこと、(2)環境への配慮やデジタル化への移行に貢献する効果的な措置を含むこと、(3)加盟国の潜在的な成長、雇用創出、社会・経済的なレジリエンス〔しなやかで強靭(きょうじん)な回復・対応能力〕の強化に貢献すること、が求められる。また、同計画案は2026年までに実施可能な内容とする必要がある。さらに、(2)に関しては、計画内容の全てが気候や環境を「害することがない(do not harm)」とする原則を順守するものであり、新技術による再利用の促進、建物のエネルギー効率の改善、持続可能な公共交通設備の展開など、計画案の支出の37%を気候変動対策に充てるべきだとする。また、デジタル化対策に関しても、ブロードバンドや5Gサービスの整備、公的サービスのデジタル化、産業データの活用促進、デジタル教育の推進など、計画案の支出の最低でも20%を充てるよう欧州委は提案している。

2021年1月1日の適用開始を目指し、EU理事会と欧州議会が審議中の関連法案の年内の採択を前提に、加盟国は同計画案を、2021年4月30日までに欧州委に提出し、その後欧州委およびEU理事会(閣僚会議)による計画案の審査を経て決定される。ただし、実際の予算は、早ければ2021年前半に加盟国に提供される事前支払い分である10%を除き、原則、欧州委が同計画の実施開始後に行う目標の達成状況に関する審査の承認後に、執行される予定だ。なお、当該加盟国の目標達成に乖離があると考える他の加盟国は欧州理事会での審議を要請できる。

なお、RRF(補助金分)の加盟国別の割当ては、添付資料を参照のこと。

(吉沼啓介)

(EU)

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