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「新型コロナ禍」でのジンバブエ経済について有識者らが議論

(ジンバブエ、南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年09月16日

英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)は9月8日、ウェビナー「コロナ禍およびその後のジンバブエ経済」を開催した。ジンバブエでは、2017年に37年間にわたり政権を握った故ロバート・ムガベ前大統領が失脚し、国軍の支持を受けたエマーソン・ムナンガグワ大統領が就任した(2019年9月30日記事参照)。しかし、同大統領が就任当時から掲げている経済改革は、深刻な外貨不足やインフレなどにより進まず、また新型コロナウイルス感染拡大に伴う2020年3月末からのロックダウン実施により、さらなる経済の悪化が懸念されている(9月13日時点の国内感染者累計は7,508人)。そのような中、ジンバブエ経済に関する有識者らが集まり、同国経済の見通しを示すウェビナーが行われた。

登壇したジンバブエ投資開発庁(ZIDA)のブスィサ・モヨ長官は、新型コロナウイルス感染拡大による課題は多いが、新しいビジネス機会が生まれる契機になり得ると説明した。特に、ジンバブエは、発展途上国としては高い50%を超える携帯電話・インターネット普及率であることから、技術的に適合できた企業にさらなるビジネス機会がもたらされる、とした。他方で、海外のドナーや投資家はジンバブエに対して汚職のイメージを強く持っているとの問題認識も示し、新型コロナウイルス対策・支援の援助に当たっても、汚職・不正管理が疑われたことから、改革の必要性を示唆した。

次に登壇したジンバブエ大学経済学部のカレン・ピンディリリ上級講師は、為替レートの不安定さ(注)が国内の貨幣供給量を左右しているとし、ジンバブエ政府は為替レートの安定化のために、過去のハイパーインフレの教訓を踏まえて、中央銀行の独立を含む慎重な金融政策をとるとともに、厳格な財政管理を行う必要がある、と指摘した。

南アフリカ共和国国際問題研究所(SAIIA)の7月8日のレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、政権交代後も為替の不安定さ、外貨不足により、特に輸入に頼る燃料が高騰し、2019年8月にインフレ率は300%を超えたとしている。また、同年10月には現金の流通拡大の必要性から、政府が一時、国内のモバイルマネーサービスを停止させるなどの措置を取っており、依然として同国のマクロ経済環境は不安定な状況にあることを示している。

IMFは2020年6月に、ジンバブエの2020年の経済成長率はマイナス10.4%との見通しを示した。これはIMFの定義によるサブサハラ・アフリカ45カ国中、セイシェル、モーリシャスに次いで低く、同国の経済低迷は長引くことが予想される。

(注)ジンバブエは一時、米国ドルを実質上の通貨として用いていたが、ジンバブエ中央銀行は2019年6月に暫定通貨RTGSドルを唯一の法定通貨に指定。金融・財政基盤の脆弱(ぜいじゃく)さのため、RTGSドルは下落を続けており、インフレ率上昇の要因となっている。

(高橋史)

(ジンバブエ、南アフリカ共和国)

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