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環境天然資源相が辞任、閣僚級の交代は5人目

(メキシコ)

メキシコ発

2020年09月07日

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は9月2日、ビクトル・マヌエル・トレド環境天然資源相の辞表を受理したことを発表した。理由は健康上の問題で主にストレスによるものと説明し、後任にはマリア・ルイサ・アルボレス福祉相を任命すると述べた。新福祉相には、福祉省次官のハビエル・マイ氏を任命した。

主要各紙は今回の辞任報道に際し、8月上旬にトレド環境天然資源相と他の閣僚との会議の音声データが流出した事件に言及している。音声データの中で、トレド環境天然資源相とされる人物は連邦政府が推進する「第4次変革(Cuarta Transformación)」を批判し、現政権について「明確な目標は存在せず、矛盾に満ちていて、内閣では激しい権力闘争が行われている」と発言している。さらに、グリホサートを含む除草剤の使用をめぐって、環境天然資源省と農業・地方開発省が対立していることを明らかにし、環境天然資源省が生態学に基づいた持続可能な農業であるアグロエコロジーを推進しようとしているのに対し、農業・地方開発省は「大企業の論理を押し付けるかたちで」アグリビジネスを普及させようとしていると話した。例えば、北米の民間企業がカンペチェ州で大規模酪農事業を実施する計画や、米国のアルコール飲料大手コンステレーション・ブランズのビール工場建設計画、メキシコの鉱山および鉄道の国内大手企業グルーポ・メヒコ(Grupo México)の採掘事業などに便宜を図るよう、大統領や内閣から圧力を掛けられたとしている。また、アルフォンソ・ロモ大統領府長官については、「大統領の後ろ盾で強大な権力を持ち、クリーンエネルギー政策など、あらゆる環境保護政策を停滞させている」と語った。

トレド環境天然資源相は、自身の都合で民間旅客機の出発を遅らせたことが問題視されて退任に追い込まれたホセファ・ゴンサレス氏の後任として2019年6月に就任した。大統領は9月1日の年次教書演説でも「われわれは過去のどの政権よりも環境保護に力を入れる」と強調したばかりだが、環境天然資源相の交代はこれで2回目となる。閣僚級の交代では、2019年5月のヘルマン・マルティネス社会保険庁(IMSS)長官、同年6月のホセファ・ゴンサレス環境天然資源相、同年7月のカルロス・ウルスア大蔵公債相(2019年7月11日記事参照)、2020年7月のハビエル・ヒメネス・エスピリウ通信運輸相(2020年7月22日記事参照)に続き、5人目となった。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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