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通信運輸相が交代、大統領との意見相違が原因

(メキシコ)

メキシコ発

2020年07月27日

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は7月23日、辞意を表明していたハビエル・ヒメネス・エスピリウ通信運輸相の辞任を承認し、代わりにホルヘ・アルガニス・ディアス氏を後任に任命した。

ヒメネス前通信運輸相の7月17日付辞表によると、辞任の理由は、港湾の監督責任をめぐる大統領との意見の相違だ。大統領は7月17日にメキシコ最大の商業港であるコリマ州マンサニージョ港を訪問した際、港湾の監督責任を今後は海軍省(SEMAR)に移管する考えを表明した。軍隊による秩序を与えることで、港湾にまん延する麻薬や武器などの密輸や汚職を撲滅することが狙いだ。メキシコの主要港湾は現在、連邦政府が出資する港湾管理公社(API)が管理しており、港湾敷地内には国税庁(SAT)の下部機関としての税関が存在する。全国のAPIを統括するのは通信運輸省(SCT)の下部機関である港湾商船総合調整庁(CGPMM)だ。CGPMMが担う役割をSEMARに移管することを大統領は計画している。

AMLO政権下では、軍隊が国防や災害時の人命救助以外の役割を担うようになっており、国家警備隊(2019年3月15日記事参照)と協力した治安維持やサンタルシア空軍基地の商業利用のための拡張工事(2019年11月11日記事参照)、さらにAMLO大統領が重視する総合福祉政策の1つである地方農村部の植林プロジェクト(Sembrando Vida)にも国防省(SEDENA)が関与している。ヒメネス氏は国の経済活動における軍隊の必要以上の関与に否定的な見解を示しており、辞表の中でも「経済的にも政治的にも深刻な影響をメキシコの現在および未来に及ぼす」と懸念を表明している。

閣僚級の交代は4人目

2018年12月に発足した現政権下における閣僚級の辞任は、2019年5月のヘルマン・マルティネス社会保険庁(IMSS)長官、同年6月のホセファ・ゴンサレス環境天然資源相、同年7月のカルロス・ウルスア大蔵公債相(2019年7月11日記事参照)に次いで4人目となる。ゴンサレス前環境天然資源相を除けば、政権運営における意見の相違が辞任の理由だ。

後任のホルヘ・アルガニス・ディアス氏はメキシコ国立自治大学(UNAM)で土木工学を専攻した技術者で、前職はAMLO大統領が重視するタバスコ州ドス・ボカス新製油所(2019年6月10日記事参照)の建設入札を取り仕切る公社の社長を務めていた。AMLO氏のメキシコ市長としての任期中(2000~2005年)にメキシコ市の公共事業局長(任期は2002~2006年)を務めており、大統領に近い人物とされる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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